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元FC東京・G大阪ルーカス「否定できないが…」欧州のJリーグ“格下論”に反発

ルーカス 写真:Getty Images

 かつてFC東京やガンバ大阪でプレーしていたルーカス・セベリーノ氏(43)は、Jリーグ通算10シーズンの在籍で291試合出場、99ゴールをマーク。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)や天皇杯など多くのタイトルをつかんでいる。そんなルーカス氏がフランス紙『ウエスト・フランス』のインタビューで、Jリーグのレベルの高さや成功を収めた理由を語った。

 ルーカス氏は2000年6月にフランス1部スタッド・レンヌへ加入。ただキャリア初の欧州挑戦で結果を残せず、母国ブラジルのクルゼイロやコリンチャンスへレンタル移籍していた。

 しかし2004年にレンヌからFC東京へ完全移籍すると、Jリーグ挑戦1年目から2桁ゴールをマークしたほかナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)優勝に貢献。2007シーズンまでFC東京在籍期間で3度2桁得点をあげると、2008年から3シーズン過ごしたガンバ大阪でもACLや天皇杯のタイトルを獲得。2011年に一度母国復帰したが、同年7月から2013シーズン終了後まで再びFC東京でプレーしていた。

 そんなルーカスは『ウエスト・フランス』で日本の文化を聞かれると「日本はフランスと違って、悪いことは隠したい国だね。よほど深刻なことが起こった時に、とても悪いニュースが流れるはず。日本人の文化では、サッカーが下手な人を批判しても意味がないんだ。もちろんJリーグでのプレーは本当に楽しかったね」と説明。

 「フランスにいる多くの人々は『(フランスよりも)日本の方がレベルが低い』と言うだろう。確かにその言い分は否定できない。だけどピッチ内のことだけでなく、言語や車のハンドルの位置など、日本の文化は全く異なっているんだ。そんな日本の環境に慣れるのは本当に難しいんだけど、僕は成功したんだ」とJリーグで長期間にわたりプレーすることの難しさを説いている。

 そしてJリーグで成功を収めた理由を問われると「僕が日本で成功を収められたのは、日本にいる時に結婚した妻のおかげだよ。彼女は25年間、私の砦だった。僕は恵まれているんだ」と、妻に対する感謝を述べた。

 なお『ウエスト・フランス』は2000年6月のスタッド・レンヌ加入時の移籍金が1億4000万フラン(当時約21億円)と高額だったことに言及。「FC東京移籍後は、『1億4000万フラン』という金額を背負ってプレーすることはなくなった」と綴っている。