Jリーグ

2022シーズン全J1クラブの補強診断&ランキング(15~13位)

鹿島アントラーズのサポーター 写真提供:Gettyimages

14位:鹿島アントラーズ

戦力収支:D

OUT
町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ:期限付き移籍)
垣田裕暉(サガン鳥栖:期限付き移籍)
須藤直輝(ツエーゲン金沢:期限付き移籍)
佐々木翔悟(ジェフユナイテッド千葉:完全移籍)
白崎凌兵(清水エスパルス:完全移籍)
遠藤康(ベガルタ仙台:完全移籍)
犬飼智也(浦和レッズ:完全移籍)
永木亮太(湘南ベルマーレ:完全移籍)
レオ・シルバ(名古屋グランパス:完全移籍)
奈良竜樹(アビスパ福岡:完全移籍)
永戸勝也(横浜F・マリノス:完全移籍)
有馬幸太郎(いわきFC:完全移籍)

IN
鈴木優磨(シント=トロイデンVV:完全移籍)
中村亮太朗(ヴァンフォーレ甲府:完全移籍)
名古新太郎(湘南ベルマーレ:復帰)
樋口雄太(サガン鳥栖:完全移籍)
キム・ミンテ(コンサドーレ札幌:完全移籍)
仲間隼斗(柏レイソル:完全移籍)
小田逸稀(ジェフユナイテッド千葉:復帰)
溝口修平(鹿島アントラーズユース:昇格)

2位、3位、3位、5位、4位。ここ5年の鹿島アントラーズのリーグ戦成績は上記の通りで、2018年のAFCチャンピオンズリーグは制したものの、J1を8回制している名門としては納得がいく結果ではないだろう。

9度目の優勝のための鍵はクラブ初の欧州出身の監督、トネ・ヴァイラー氏が握っている。ベルギーのRSCアンデルレヒトやエジプトのアル・アハリでリーグ優勝。ドイツの1.FCニュルンベルクを率いるなど国際経験豊富で実績十分な監督だが、最大の懸念材料はいつ来日できるか、という点だ。チームの下地を作るキャンプ時に監督が不在となると、同じく外国人監督を迎えたサンフレッチェ広島同様順位そのものに影響を与えることだろう。

新加入選手で最も注目が集まるのは鈴木優磨だ。下部組織から鹿島で育ち、ベルギーのシント=トロイデンVVで昨季17得点を挙げた男が古巣に戻ってきたのだから。リーグ随一の動き出しの巧みさを持つ上田綺世と共に、リーグ屈指の最前線を形成することになる。

また、センターハーフにはヴァンフォーレ甲府で2シーズンを過ごした中村亮太朗が加入。レオ・シルバや永木亮太といった選手が移籍したためかかる期待は大きい。

中盤の攻撃的なポジションにはサガン鳥栖の10番を背負い絶対的な存在だった樋口雄太、柏レイソルから加わった仲間隼斗、期限付き移籍先の湘南ベルマーレで19試合に出場した名古新太郎が加わった。中でも樋口は豊富な運動量をベースにキックの精度の高さ、思い切りの良いシュートを備えている。

そしてこれらの選手以上にチームの成績に直結する可能性があるのが、コンサドーレ札幌から加わったキム・ミンテ。昨季センターバックの主力だった犬飼智也と町田浩樹が一気にチームを離れたため、新加入ながら関川郁万らと中心を担うことになる。移籍した左サイドバックの永戸勝也の穴を埋めうる小田逸稀、溝口修平にも期待だ。


北海道コンサドーレ札幌のサポーター 写真提供: Gettyimages

13位:北海道コンサドーレ札幌

戦力収支:D

OUT
中野嘉大(サガン鳥栖:完全移籍)
白井康介(京都サンガFC:完全移籍)
キム・ミンテ(鹿島アントラーズ:完全移籍)
岩崎悠人(サガン鳥栖:期限付き移籍延長)
ジェイ・ボスロイド(未定:退団)

IN
藤村怜(モンテディオ山形:復帰)
檀崎竜孔(ジェフユナイテッド千葉:復帰)
興梠慎三(浦和レッズ:期限付き移籍)
井川空(筑波大学:新加入)
田中宏武(立正大学:新加入)

2018シーズンからチームを率いるミハイロ・ペトロヴィッチ監督の続投が見込まれ、選手も継続路線のコンサドーレ札幌。大きな変化は見られないが、ジェイ・ボスロイドとキム・ミンテの退団はトピックだろう。

ジェイは2017年の夏に札幌に加入すると、14試合で10得点を記録。チーム得点王になるとともに残留に大きく貢献。その後も空中戦の強さを武器に、安定した活躍を見せていた。キム・ミンテは2017年の加入から主力を担ってきたが、田中駿汰の台頭もあり徐々に出場機会を減らしていた。

そうした中での補強の目玉は、名実を併せ持つ興梠慎三だ。9年連続二桁得点というJリーグ初の記録を持っており、実績はJリーグ屈指。昨季は1得点に留まったがマークを外す動きは衰えておらず、ジェイの抜けたFWに異なる強みをもたらすはずだ。

檀崎竜孔と藤村怜という、J2で経験を積んだ2人にも注目したい。期限付き移籍先のオーストラリアのブリスベン・ロアーで活躍した檀崎は、ジェフユナイテッド千葉への期限付き移籍を経て今季改めて札幌で競争することとなった。U-15から札幌で育ちトップチームへと昇格した藤村怜は昨季モンテディオ山形へ期限付き移籍したものの、リーグ戦の出場は5試合のみ。札幌での競争は簡単なものにはならないだろうが、今季に勝負を懸ける。

大卒の2人も即戦力候補だ。井川空は札幌のU-18で戦い、筑波大学で成長し怪我を乗り越えて札幌入団を勝ち取った。立正大学から加わる田中宏武はすでに昨年のルヴァン杯で3試合に出場している。

微減という印象はあるが戦力の増減は少なく、ルーキーながら7得点を挙げた小柏剛、抜群の個のスキルで欠かせない選手となった金子拓郎など攻撃の破壊力は間違いない。課題は昨季と同じく守備面だ。主な顔ぶれは変わらないだけに、組織の熟成と個々の成長に期待することになる。

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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