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JFL鈴鹿、日本史上初の女性監督ミラの退任を発表!同胞イニエスタ率いる神戸と対戦も

ミラ監督 写真提供: 鈴鹿ポイントゲッターズ

 7月5日、JFL(日本フットボールリーグ)に所属する鈴鹿ポイントゲッターズは、ミラグロス・マルティネス・ドミンゲス監督(以降、ミラ監督)の退任を発表した。ミラ監督は日本の男子サッカー全国リーグ史上初の女性監督として話題を集めていたスペイン人指導者だったが、このたび双方合意のうえで契約終了となった。

 尚、鈴鹿は同日付でミラ監督の通訳兼アシスタントコーチである小澤哲也氏の退任も発表。後任監督にはチームの編成を担う小澤司テクニカルディレクター兼コーチが暫定監督として指揮を執ることも発表している。

 ミラ監督は鈴鹿がクラブ史上初のJFLを戦う2019シーズンから指揮を執り、初年度はリーグ16チーム中の12位でJFL残留に成功。指導当初から攻撃的なチームを作り上げ、エースFWエフライン・リンタロウは得点王に輝いた。2年目の2020年には同5位にまでチームを引き上げて大躍進。今季、開幕6戦の段階では4勝1分1敗と上位争いを繰り広げていたが、リーグでは4月24日に行われた第6節の高知ユナイテッドSC戦(ホーム)の勝利以降、2分6敗と8戦未勝利が続いていた。

 一方、「天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権」の出場権を獲得すると、同じJFLのFC刈谷との対戦となった1回戦に勝利。先月16日の2回戦ではJ1のヴィッセル神戸と対戦。ミラ監督は神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとは年齢が1つ違いで、同じスペインのカスティーリャ=ラ・マンチャ州出身。時期は異なるものの、地元クラブのアルバセテ・バロンピエにも所属していた間柄だったため、その神戸との天皇杯2回戦は日本国内だけでなくスペインでも大きな注目を集めていた。

 鈴鹿は同日付での退任を発表すると共に、ミラ監督による以下のコメントを掲載している。

「帰る時が来たので、私の人生で忘れられないものをここに残します。3シーズンにわたり、鈴鹿ポイントゲッターズの目標を達成する為に歩みを止めることなく戦い続けました。私に絶対的な信頼を示し、機会を与えてくれたクラブに心から感謝します。私がここで示した努力が日本で夢を追い、それを叶えるために戦う多くの女性たちの励みになれば良いなと願っています。クラブスタッフにも感謝を伝えたいです。日々のサポートをしてくれたテツとフェリペには特に感謝します」

「最も多くのありがとうはサポーターの皆さんに。いつも私は言っていました。‘‘日本において一番素晴らしいことはあなたたちの存在‘‘だと。私が日本に着いた日からあなたたちがくれた愛情は計り知れません。そして記者、メディアのみなさん。私たちに注目してくれたこと、私たちの仕事ぶりを多くの人たちに発信して頂きありがとうございました」

「最後に一緒に戦ってくれた選手ひとり、ひとりへ。プロフェッショナルだったこと、私を疑わず信じてくれたこと、みんなの努力、そしてリスペクトに最大の感謝をします。この壮大な冒険をするうえで、この国以上の国は見つけることはできなかったと思います。ありがとう日本」

「孤独はこの経験において最も過酷なこと。その中でこの挑戦をここまで続けることができたのは、私を愛してくれたたくさんの支えがあったからです。この年月が私を監督として、人としても成長させてくれ、そして今は帰る時が来ました。今後は、再び、家族のもとに会いに戻り、抱きしめ、笑い、求め、愛したいと思います。それは、遠く離れていては難しいことだったから。ありがとう、鈴鹿ポイントゲッターズ」

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