プレミアリーグ エバートン

重傷のアンドレ・ゴメス。サッカー界から多くの応援が届く

写真提供: Gettyimages

著者:秕タクヲ

早期回復を心から願う。

残念ながらフットボール界で心痛めるニュースが起こってしまった。

プレミアリーグ第11節、エバートンvsトッテナムの試合でアクシデント発生する。79分アンドレ・ゴメスがボールを保持しているところに、ソン・フンミンが後ろから強引なスライディング。引っかかったアンドレ・ゴメスはセルジュ・オーリエとの接触の後、そのままピッチの上で悶々とうずくまった。

駆けつけたリュカ・ディニュやジェンク・トスン、ベンチから慌てて飛び出したシェイマス・コールマンもすぐにメディカルスタッフを呼ぶリアクションを取り、一瞬にしてグディソン・パークは騒然となった。間近で見ていた観客の多くが顔を覆ったのも、ことの重大さを認識したからだろう。

このタックルの前のプレー、75分ごろソン・フンミンはタッチライン際での競り合いの中でアンドレ・ゴメスの左肘を顔に受けピッチに倒れ込んだ。ソン・フンミンが犯してしまったタックルはその報復のようにも捉えられる。レフェリーを務めた、マーティン・アトキンソンも当初はイエローカードとジャッジしたが、選手の安全が危険にさらされることを考慮しレッドカードの1発退場に変更された。


試合後のインタビューでマルコ・シウバ監督は、負傷後のアンドレ・ゴメスの状況とエバートンの重要人物を当面の間起用できない悲痛の思いを示した。こうしたアクシデントはアンドレ・ゴメス本人だけでなく、同士である選手やチームスタッフにも影響を及ぼしやすい。改めてチーム全体へのケアを推進させショックを和らげた上で次節に挑みたいところだ。


デレ・アリもアンドレ・ゴメスについて心境を語る中、過ちを犯したソン・フンミンについても言及した。涙に溺れているソン・フンミンを直視することができなかったとアリは話している。

そんな中、エバートンのキャプテンであるシェイマス・コールマンが試合後にトッテナムのロッカールームを訪れ、ソン・フンミンを慰めたと各メディアが一斉に報じた。コールマン自身もかつてニール・テイラーから受けた悪質なタックルによって1年以上の戦線離脱を余儀なくされた過去を持ち、こうしたアクシデントはタックルした側の選手も今後のパフォーマンスに影響を及ぼしやすいことを知っていた。常にリスペクトを心がけるキャプテンシーにマウリシオ・ポチェッティーノもコールマンを称賛した。


悲劇を目の当たりにした日曜日の試合。各方面からアンドレ・ゴメスに対する応援の声が広がった。同じチームメイトであるジョーダン・ピックフォードやセオ・ウォルコット、マンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォード、レスター・シティのジェイミー・バーディらもTwitterで反応している。

アンドレ・ゴメスに寄せる声はかつて所属していたバルセロナからも届いた。バルセロナでは十分な出場機会を得られなかったものの、シーズン途中のインタビューで苦悩を吐露し、それがかえってファンの心を掴んだアンドレ・ゴメス。バルセロナは彼をずっと見守っている。フットボールの力は強く、そして美しいことを知ることができた。



アンドレ・ゴメスは「右足首脱臼」と診断された。長期的な負傷離脱となることは誰の目から見ても明らかであろう。バルセロナからのローン加入で頭角を現し、今シーズンからは完全移籍でチームの軸をになるエバートンのキーマンをこうした形で失ってしまうのは一フットボールファンとして悔やんでも悔やみきれない。選手生命を取り留めることともに1日でも早いアンドレ・ゴメスの復帰を心から願う。

またソン・フンミンの犯したスライディングは、スポーツマンシップの観点から決して許されるものではない。しかし、ことの重大さに気づきピッチ上で号泣した姿からも本人に後悔と反省は感じ取ることができた。精神的苦境を乗り越え、プレーできることを切望する。

名前:秕タクオ

国籍:日本
趣味:サッカー、UNO、100均巡り

サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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