アジア ワールドカップ

アメリカ戦はタイ代表にとって悪夢か教訓か。女子サッカー発展に向け、広げるべき可能性

タイ女子代表 写真提供:GettyImages

 これまでのところ、女子ワールドカップ初戦は順調に進み、また予想外の結果をみせている。イタリアがオーストラリアを破り、アルゼンチンは日本に対してスコアレスの試合に持ち込んだ。男子チームを考えると普通のことに見える物語も、女子チームとなると異なる意味を持つ。

 アルゼンチンは伝統的な強みがなく、長年にわたって活動がみられなかった。過去2年間でのリーグの再構築と発展に至るまで、代表チームはどの国際大会にも参加していなかったのだ。このような短期間でワールドカップの出場資格を得て、2011年のチャンピオンと対戦し、彼らにとって大会史最初のポイントを獲得した。

 さらにイタリアの女子リーグ、セリエA女子は、完全なプロフェッショナルリーグではない。オーストラリアよりも低いスタンダードで見込まれていたが、バルバラ・ボナンセアの活力が女子サッカーであっても何でもできることをチームに気づかせた。

「アメリカと対戦できたことは素晴らしい経験でした。ただただ、すごい経験でした。一斉に襲われたような感じです。信じられないほど感情的。試合前でさえ狂気的でした。試合後は全選手と握手しました、それはもう素晴らしかったです」と、アメリカ生まれのタイ人選手、ミランダ・ナイルドはワールドカップデビューで感じたこと、憧れのアレックス・モーガンと同じピッチに立てた感想を交えて『ロサンゼルス・タイムズ』に語っている。

 モーガンと仲間たち(アメリカ代表)は、2015年にデビュー後2回目の出場で最善を尽くしたタイ代表選手全員を元気づける寛大な態度を示した。確かに、連盟が女子サッカーにもっと尽力していたら、結果はもっと良かっただろう。これはタイだけではなく、アフリカも南アメリカ諸国も、私の母国であるインドネシアも同じだ。もし今突然インドネシア代表がワールドカップでアメリカと対戦したら、何得点入れられるのか想像もできない。

 アメリカ代表は最高のスターティングメンバーでプレーし、相手を過小評価することはなかった。たくさんのゴールを決めたいからではなく、タイのお手本になりたかったからだ。これが今後数年間で達成しなければならないレベルであること、そしてタイがより高いレベルに達して再開する喜びを示すために。連盟がより良い発展に投資すれば実現するだろう。

元気を出してチャバカウ(タイ女子代表の愛称)!アメリカがくれた教訓について話そう。彼らに感謝し、そして今後数年でより良く強くなって戻ってこよう。

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名前:菊池大将
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幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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