Jリーグ ベガルタ仙台

Dr.TRIBE【試合診断書】 Jリーグ第28節 横浜F・マリノス対ベガルタ仙台

大会:Jリーグ
カード:横浜F・マリノス対ベガルタ仙台
スコア:5-2
担当医:高橋羽紋
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):仲川輝人

中央を切り裂くドリブルで勝ち越し点を奪取。51分にはクロスに合わせ、決定的な3得点目を奪った。

ザ・ハード・ワーカー(THW):扇原貴宏

ハーフスペースへの侵入を素早いスライドで阻止。幅広い守備エリアをカバーした。ビルドアップでの貢献も大きい。激しいプレスを受けた中でもミスなくボールを散らしている。ウーゴへのアシストも記録した。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):大岩一貴

仲川輝人に股間を抜かれ、決定的な3失点目を献上。ディフェンスラインを上げることも必要だったはずだ。


F・マリノスの攻撃vsベガルタの守備

F・マリノス:ピッチ上で選手が三角形を形成し、点が動くことでボールを円滑に回し続けた。今季忍耐強く目指していたスタイルが上手く機能した印象だ。

試合前から雨が降り注いでいたこの試合は山中亮輔、天野純らが積極的にミドルシュートを狙う。高精度のキックを持つ両者のシュートは決定的な場面を数多く作ることに成功した。

前者は強烈なミドルシュートで貴重な先制点を奪取。後者はゴールこそなかったが、相手DFを前へ釣り出すことに成功。そのギャップをウーゴに狙わせている。

また、この試合では両ウイングが外に張り出すだけでなく、機を見て中央へ侵入。仲川輝人の得点はピッチ中央でボールを受けてからのドリブル突破であった。

F・マリノスのシステムはウインガーが相手SB(WB)と1対1になる場面を意図的に多く創出している。この局面で優位に立てば、一気に得点チャンスへと繋がる。この試合で見られた遠藤渓太、仲川輝人の成長はチームにとって大きな収穫だろう。

ベガルタ:守備ブロックの基本形は5-4-1。前線からのプレッシングは行わず。ミドルゾーンで圧力を強め、奪ってから一気に両ウイングバックがサイドを駆け上がる形を狙った。

しかし、F・マリノスはベガルタのミドルゾーンの守備を容易に突破。サイドで三角形を描くようにポジショニングし、常にその3点が変形し続けた。幻惑されたベガルタはボールの取り所を定められず後手に回っている。


ベガルタの攻撃vsF・マリノスの守備

ベガルタ:攻撃時は3-1-5-1のような陣形。ビルドアップはGK+3バック+アンカーの富田晋伍で行った。F・マリノスが前線から数的同数のプレッシングを行ってきたが、阿部、奥埜、関口らが連動して右SB松原を牽制することでプレスの回避に成功する場面も多く見られた。

効果的だったのは逆サイドへの展開。ボールを中心とした積極的なプレスを仕掛けるF・マリノスは逆サイドの守備が手薄。板倉滉は正確かつ効果的なロングボールを数多く提供していた。

素早い攻撃こそ機能していたが、主体的に落ち着いてボールをキープ出来る時間は作れず。アンカー扇原貴宏の横に生まれるスペースに侵入する回数を増やしたかった。受動的な攻撃だけでなく、能動的に自分たちの時間を作ることも必要だっただろう。

F・マリノス:前半は前線から数的同数のプレッシングをかけるも、プレスを回避されてボールの前進を許す場面が目立った。ハイプレスは切るコースを間違えたり、背後の選手の連動が遅れれば、後方には広大なスペースが広がっていることを意味するリスクのある戦術だ。ポジショニングの全体意識、選手間のコミュニケーションの再度徹底は必要だろう。


横浜F・マリノス監督:アンジェ・ポステコグルー

伊藤翔が怪我で離脱したが、代役のウーゴ・ヴィエイラが異なる特徴を発揮。エリア内で存在感を発揮した。両サイドの若手ウインガーが局面で優位に立った点はチームにとって大きな収穫だろう。


ベガルタ仙台監督:渡邉晋

F・マリノスの素早いボール回しに翻弄され、ボールの狙いどころを定められず。ずるずると後退して失点を喫した。失点後はチームの連動性が失われて攻守が完全に分断した。精神的な立て直しも必要だろう。


主審:山本雄大

判定の基準が曖昧でベガルタ仙台にとっては不利な判定が多かった。77分のウーゴ・ヴィエイラのゴールは直前にハンドがあった。