セリエA第27節で激突するユベントスとラツィオ。ナポリにこれ以上差を広げられるわけにはいかないユベントスと、CL圏内を確実なものにしたいラツィオの激闘が予想される。しかし、両クラブはサポーターを含め、意外にも有効的な関係を築いていることをご存知だろうか?今回は両クラブの仲が良い理由をご紹介する。
ローマを倒してくれるユベントス
ラツィオとローマは同じ街(ローマ)に拠点を置くライバルクラブで直接対決となるローマ・ダービーはイタリア国内でも最大級の盛り上がりを見せる。実はラツィオの方がローマよりも27年先に設立されたクラブなのだが、主流派はローマということで、ラツィオサポーターは普段から肩身の狭い思いをしている。そのためローマが負けようものなら歓喜して、馬鹿にするのだ、その逆もしかりである。
ラツィオとローマの1990/1991シーズンからの戦績はローマが24勝、引き分け21、ラツィオが16勝と、ローマサポーターが8回多くラツィオサポーターを馬鹿にするチャンスを得ている。これがラツィオサポーターにとって、たまらなく辛い事実なのだ。そんな気持ちを慰めてくれるのがユベントスだ。ユベントスとローマの1990/1991シーズンからの戦績はユベントス27勝、引き分け17、ローマ14勝と13試合もユベントスが勝ち越している。
ラツィオサポーターはユベントスがローマに勝った27試合でローマサポーターを馬鹿にできる。このことから、北部のクラブに好意的な感情を持たないローマのクラブだが、ユベントスだけにはあまり敵対感情を抱かないのだ。イタリアで有名なラツィオサポーターのコメディアンもユベントスのことだけは擁護するようなコメントを残すほどだ。
2002年5月5日
では、ユベントスサポーターが、なぜラツィオに対して好意的な感情を抱くのかということだが、その理由は2002年5月5日にまでさかのぼる。当時のセリエAは最終節を残して、1位インテル(69)2位ユベントス(68)3位ローマ(67)と熾烈なスクデット争いを繰り広げていた。最終節の対戦相手がインテルはラツィオ、ユベントスがウディネーゼだ。
最終節の試合後、当時インテルの元ブラジル代表FWロナウドはスタディ・オリンピコのピッチ内で涙を流した。そう、ラツィオがインテルを下し、ユベントスがウディネーゼを下したため、ユベントスが逆転優勝を果たしたのだ。ユベントスはジネディーヌ・ジダンとフィリッポ・インザーギを放出し、ジャンルイジ・ブッフォンを獲得した印象的なシーズンを華やかな結果で迎えることができたのだ。
ちなみに、インテルとラツィオは前半を2-2で折り返した。ラツィオが4-2でインテルを下すのだが、3得点目をアトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督、4得点目をラツィオのシモーネ・インザーギ監督が決めている。ラツィオはが勝利したことでユベントスの優勝をサポート。そしてユベントスが勝利したことで、ラツィオの宿敵ローマの優勝を阻止する結果となった。
両クラブで活躍する下部組織出身者
ラツィオで大活躍するチーロ・インモービレがユベントス下部組織出身だということをご存知だろうか?2009年から1シーズンユベントスでプレーしている。また、今冬からラツィオでプレーするマルティン・カセレスは元ユベントスの選手だ。逆に、2011年からユベントスでプレーするリヒトシュタイナーはラツィオから加入した選手だ。こういった事も両クラブ間の友好的な関係に一役買っているかもしれない。
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