ラ・リーガ レアル・マドリード

乾貴士、C大阪時代を彷彿とさせる新スタイル。レアル相手に存在感示すも“怖さ”不足が課題に【MatchSTORY】

 レアル・マドリードは今季の公式戦、ホームでは7試合で3勝(3分1敗)アウェイでは6戦全勝と、想定外の“外弁慶”が続く。首位バルセロナとの勝ち点差8を縮めるため、ホームでは必ず勝ち点3が求められた試合だ。スタメンにはMFイスコ、マルコ・アセンシオ、ダニ・セバージョス、ルカ・モドリッチを同時起用。パスワークを中心に連携から相手を崩す”ジダンマドリード”の新機軸だ。

 一方、エイバルは悪夢の3連敗(3試合で失点13)から前節デポルティーボ・ラ・コルーニャ戦のスコアレスドローで脱却。連続大量失点と連敗を止めたが、依然として得点力不足は解消されず(今季のチーム総得点がわずか3点)セットプレーの守備にも改善が求められている。乾貴士はこの日2トップの一角として先発。本職の左サイドではなく中央のライン間でボールを受ける機会が多かった。

 スコアが動いたのは前半19分、ショートコーナーからアセンシオがクロスを送ると、競り合ったエイバルDFの頭に当たりオウンゴール。エイバルは課題とするセットプレーの守備でまたしても失点を喫した。つづく前半28分、イスコが味方との連携で左サイド深くを崩すと、マイナスのクロスにアセンシオがダイレクトボレーでゴールに突き刺し追加点。後半82分に途中交代のマルセロが左足を振り抜きダメ押し点。3-0でホームのレアル・マドリードが完封勝利を収めた。

 試合を通してマドリードが終始ゲームを支配。イスコ、アセンシオ、セバージョスらを中心に小気味良いパスワークでポゼッション率を高め(支配率57%)、一瞬の隙を逃さず試合を殺した。クリスティアーノ・ロナウドが得点への渇望からフラストレーションを溜めている点は気がかりだが、危なげない3-0での勝利はサポーターを安心させる結果となっただろう。

 対するエイバルは5バックで中央の守備をがっちりと固めるも、ボールの取りどころも攻め手も見つからなかった。乾はセレッソ大阪時代を彷彿とさせる2ライン間で前を向きボールを受けるプレーで存在感を示し、現地メディアからの評価も高かった。しかし、得点に結びつくようなプレーが少ないため、現段階では2トップの一角として物足りなさを感じずにはいられないだろう。チームは3バックへの移行の可能性が高まっており、今後どのポジションで起用されるのか注目だ。