アジア AFCチャンピオンズリーグ

浦和、上海上港を下しアジアの頂へ登れるか。勝負を分ける鍵は“自信”の継続【MatchSTORY】

 
 浦和のメンタル強化の初めのきっかけは、グループステージ(Fグループ第4節)で上海上港を1-0で下したことだ。そしてラウンド16と準々決勝で済州ユナイテッドと川崎フロンターレ相手にセンセーショナルな復帰勝利を果たしたことは、疑いなく彼らの成長の糧となった。

 堀監督の功績もあげるべきだろう。彼はチームの体制を微調整して、突破するタフさを強化し、速攻の影響を受けにくくした。

 3-4-2-1から4-1-4-1体制への切り替えが、彼らの改善の基盤である。しかしチームの体制を変えるだけでいいほどシンプルではなく、当然ながら試合へのアプローチの仕方も変えなければならない。

 準決勝第1戦で実証された中で最も明らかだったのは、浦和がボールを持った際の立ち振る舞いだった。3月の試合と比べるとほぼ全く同じパス数だったが(3月421、先週431)、今回は自らのゴールからより離れた位置で行われていた。

 グループステージの試合では、浦和のパスコンビネーションの大部分が自陣ハーフにいる選手の中で行われており、全く本質的な進出することなくボールを支配していたようにみえた。ボール支配率は65.1%を記録するも、ボールを失うと上海上港からの速攻に弱かった。今回の試合のボール支配率はわずか53.1%であったが、後ろ5選手よりも前線の5選手によって、より前進したエリアでボールが動かされていた。

 とはいえ、浦和が数え切れないほどの得点チャンスを作り出したわけではない。浦和がボール支配率を下げたということは、上海上港がゴールに向かうまでによりたくさんの動きが必要になったという意味だった。

 実際、上海上港のシュートは21回で、うち10回がエリア外から放たれている。試合69分ポストに当てられたオスカーによるフリーキックだけでなく、いくつかのシュートには恐怖を引き起こされた。しかし相手が25ヤードからシュートする時は5ヤードからシュートする時よりも、はるかにチャンスがある。

 ここから重要になるのは、浦和がこの自信を継続して第2戦に持ち込むことだ。上海上港は守備に脆さがあり、今年の大会でアウェイ戦を無失点で切り抜けたのは1度だけである。その1度は、2月のグループステージ初戦でFCソウルに1-0で勝利した時であった。加えて浦和は本大会において埼玉スタジアムでの活躍が目覚ましく、ファンの前で行われたACL全5試合をは勝ち抜いている。

 浦和がこの調子を保ち、決勝進出を確実にする最善の方法は、第2戦でも再び恐れることなくプレーすることだろう。

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