Jリーグ FC東京

日本の首都クラブ、FC東京に希望はあるのか。儚く消えた“ドリームチーム”の行く末は

クラブを降格させた監督を呼び戻す選択をしたフロント陣

 篠田善之監督は、再任であった城福浩監督体制下の混乱後に、チームの軌道を取り戻すことに貢献した。しかしながら、スター選手チームにとっての理想的な指揮官ではないことが示されていった。篠田監督の経歴は、アビスパ福岡トップチーム監督としての昇格や降格のみであるが、トロフィー獲得を志願するクラブにとっては控えめ過ぎる。

 FC東京が最後に良い監督体制であった時(マッシモ・フィッカデンティ監督)、理事会は彼の契約延長ではなく以前にクラブを降格させた監督(城監督)を呼び戻す選択をしている。

 FC東京は篠田監督の指揮でうまくいくことはなかった。同監督は自分の持つものを最大限に活用する方法を知らなかったように思える。どういうわけか、2人のベストプレーヤーが二次的な役割に格下げされていた。1人は明らかに最も才能ある中島で、彼を中心にチームは構成されるべきであったが、この小さな“プレイメーカー”は主に補欠で使われた。

 チーム唯一の実動ストライカーで現在のトップ得点者であるウタカも同様で、8ゴール決めているが先発はたったの7回だ。“もったいない”。中島がポルトガル1部ポルティモネンセに移籍後に素晴らしい活躍をし始めたのも、驚きではなかった。

 篠田監督は、3バックを採用して森重の損失を埋めようとした。初めは若干の改善がみられたが、チームは依然として前線で苦労していた。まもなく手ひどい敗北が続き、Jリーグカップ準々決勝で川崎Fに7-1で、Jリーグ第25節でセレッソ大阪に4-1で打ちのめされると、同監督は退任となった。

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