ブンデスリーガ 海外日本人選手

ドイツで苦しむ侍たち。大迫は唯一の躍進、宇佐美は失望のシーズンに

 しかしながら、全く期待に応えることのできなかった選手もいる。バイエルン・ミュンヘンとTSG1899ホッフェンハイム(2011-2013シーズン)での苦しい経験を糧に大きな期待を背負い、ドイツへ戻った宇佐美貴史である。2015シーズンにJリーグで得点ランキング上位となり、ドイツでのプレー経験のあった宇佐美はチームの中心選手となることを期待され、FCアウクスブルクという小さなクラブと契約をした。しかし、今のところ、その期待を裏切る結果となってしまっている。宇佐美はベンチで過ごす時間も長く、11試合出場(先発5試合のみ)の無得点に終わっている。非常に残念なシーズンであり、来シーズン、パフォーマンスが向上するのか見どころである。そうでなければ、契約満了の2020シーズンまで同クラブでプレーすることはなさそうだ。

 また残る日本人のアタッカーである武藤嘉紀と原口元気については、充実したシーズンを過ごしたが昨シーズンほどではなかった。マインツ所属の武藤に関しては特に驚くまでもない。同選手は負傷を乗り越えなければならず、復帰に向けハードワークを強いられることとなった。今季序盤の3試合で2得点を挙げたが、膝の負傷により残りのシーズン前半を棒に振ることとなった。シーズン後半戦は全てプレーすることができたが、以前のようにチームで重要な役割を果たすことができず、途中出場がほとんどであった。今シーズンは5ゴール2アシストの成績に終わったが、リーグ残留のために重要な得点をアイントラハト・フランクフルト戦で挙げ、チームに貢献したのも事実だ。仮に彼が良いコンディションであれば、来シーズンは間違いなくチームにとって必要な選手となるだろう。

 一方で、既にチームのスターティングメンバーの中でも重要な選手となっていたが、シーズン終盤にパフォーマンスが低下し、出場機会も失うこととなった。ダールダイ・パール監督も彼に満足しておらず、3シーズン目となる来シーズンを気にかけ、原口と座って話すことさえもあった。

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