ブンデスリーガ 海外日本人選手

ドイツで苦しむ侍たち。大迫は唯一の躍進、宇佐美は失望のシーズンに

左から宇佐美貴史、原口元気、香川真司、大迫勇也、武藤嘉紀 写真提供: Getty Images

著者:キム・デンプフリング

 最初にドイツで日本人選手ブームが起こってから、7年が経った。奥寺康彦、尾崎加寿夫、高原直泰、長谷部誠といった選手たちが既にプレーはしていたが、香川真司と内田篤人の活躍はドイツの多くのクラブが安価で技術のある日本人選手を求める大きな要因となった。以来、多くの日本人選手がキャリアアップを目指し、ドイツを訪れるようになっており、中には成功を収める選手たちもいたが、そうでない選手たちもいた。今日、ブンデスリーガに所属する選手の数は減少し、日本人選手に関する話題も減少傾向にある。

 1度成功を収めた香川の名前さえも目にすることは少なくなっており、それは2016/2017シーズンも同様であった。香川はシーズン前半戦で苦しんでおり、最初の17試合で7試合のみの出場(3試合は途中出場)に終わっている。しかしながら、シーズン後半にはコンディションを取り戻し、残りリーグ戦9試合で1ゴール5アシストを記録。UEFAチャンピオンズリーグでも3得点をボルシア・ドルトムントにもたらしている。このシーズン終盤の活躍は、リーグ3位、DFBポカール優勝に終わったドルトムントに28歳の同選手の契約更新を前向きに検討させる良い材料となりえるだろう。現在の香川とドルトムントの契約は2018年までとなっている。

 2016/2017シーズンに最も大きなインパクトを残したのは、1.FCケルン所属の大迫勇也に違いない。継続的な活躍を見せ、クラブ史上25年ぶりとなるヨーロッパの大会への出場権獲得に大きく貢献した。大迫はケルンで30試合に出場し、7ゴール8アシストを記録。特に、シーズン最終戦では1ゴールとチームの先制点を演出し、高評価を得た。センターフォワードのアントニー・モデスト(25得点)と大迫のコンビはリーグ屈指のアタッカーと賞されている。ケルンとの契約を2020年まで更新したばかりの大迫はおそらく更なる成長を遂げるであろうが、それはモデストの去就に左右されそうである。

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