明治安田生命J1リーグは、6月24日~25日にかけて行われた第18節より2023シーズン後半戦へ突入した。ヴィッセル神戸の快進撃、名門鹿島アントラーズやガンバ大阪の不調など、さまざまな話題で大いに盛り上がった前半戦だったが、ここから一層順位争いは熾烈なものとなっていく。
そんな中、苦境に立たされているのが湘南ベルマーレだ。開幕戦ではサガン鳥栖を相手に5-1と大勝し一気に波に乗るかと思われたが、ここまでの勝ち星はその開幕戦を含めわずかに2つのみ。直近は途中5連敗を含む14戦勝ち無しと厳しい状況に置かれ、最下位につける。さらに7月、ここまで攻撃を牽引してきたFW町野修斗がドイツ2部ホルシュタイン・キールに移籍。J2清水エスパルスよりFWディサロ燦シルヴァーノを獲得したが、リーグ中位の得点数にも陰りを落としかねない事態だ。
ここでは、そんなチーム状態の湘南において、ファンやサポーターから「帰ってきて欲しい」と復帰を望む声が聞こえそうな、今季現所属クラブで活躍中の湘南OB選手を3名紹介していく。
山根視来(川崎フロンターレ)
湘南ベルマーレ所属:2016-2019
2020年に川崎フロンターレに移籍し、2度のJ1制覇(2020、2021)に大きく貢献したDF山根視来は、近年湘南が手放した中で最も惜しまれる選手の1人だろう。湘南時代は2年目の2017年からスタメンに定着。同年はセンターバックとして37試合に出場し、J2優勝に貢献した。
川崎における右サイドバックとしての山根は、MF家長昭博ら前線の選手らと絡みながら、中央、サイド両方で決定的なチャンスを創出できることが大きな魅力。また、その技術の高さは後方からのビルドアップや持ち出しにも活き、自陣の深い位置でも安定して精度の高いプレーが可能だ。今季もここまでリーグ戦全試合にスタメンフル出場。現在怪我人も多く出ている川崎だが、加入してから不動のポジションを確立している山根が健在であることは大きい。
湘南は、開幕前に韓国代表GKソン・ボムグンを補強しているが、センターバックおよびウイングバックやサイドバックをこなせる守備陣の強化はしていない。今夏鹿島よりDFキム・ミンテを期限付きで獲得したものの、失点数がリーグワースト1位という大きな課題を1人の補強で解決できるかは疑問だ。なにより後方からの繋ぎを引っかけられ失点に繋がる場面もあったことを踏まえれば、繋げて運べる山根を欲する声が出ても不思議はない。
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