Jリーグ

東京23区にJ1基準スタジアム?えどりくフィールドはJリーグ開催も可能か

スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)写真:アフロスポーツ

東京都江戸川区は2月16日、老朽化が課題となっていた「スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)」を、収容1万5,000人以上の球技専用スタジアムへ改修する計画を発表した。陸上トラックを撤去し、総天然芝で屋根付きのスタジアムとして整備。Jリーグ公式戦の開催が可能な施設とし、プロスポーツ興行や地域振興の拠点として持続可能な運営を目指すという。

同競技場は現在、ラグビーリーグワンのクボタスピアーズ船橋・東京ベイのホームスタジアムとして使用されているほか、サッカーでは関東サッカーリーグ1部の東京23FCがホームゲームを開催している。ラグビーの本拠地として整備が進む一方、J1基準を満たす球技場となることで、サッカーとの共存にも注目が集まっている。

ここでは、この改修計画の概要とともに、ラグビー優先使用となる可能性や、Jリーグとの共存の可能性について検証する。


江戸川区が描く改修計画の全体像と課題

本スタジアムの最寄り駅は東京メトロ東西線の西葛西駅で、駅から徒歩約15分の場所に位置する。道中には団地などの住宅地も多く、仮に1万5,000人規模の観客が来場した場合、試合開催時には駅周辺や住宅地で混雑や騒音が発生する可能性もある。

改修後のスタジアムは陸上トラックを廃止し、サッカーやラグビーに対応した天然芝の球技専用スタジアムへと転換する。座席数の拡張に加え、照明設備や大型映像装置、中継設備、ホスピタリティスペースなどを整備し、J1リーグのスタジアム基準とジャパンラグビーリーグワンの公式戦実施要項を満たす施設となる見込みだ。収容人数は1万5,000人以上が想定されており、7,258人収容の味の素フィールド西が丘を大きく上回る規模となる。観戦環境の向上だけでなく、地域経済の活性化にもつながることが期待されている。

また、事業は民間提案型で進められ、民間の資金やノウハウを活用した運営が想定されている。スタジアム機能に加え、周辺施設との複合利用も視野に入れ、持続可能な運営モデルの構築を目指す。バリアフリー法など関連法令を遵守するとともに、防災拠点としての機能も持たせる計画だ。区民利用とプロスポーツ興行の両立を掲げており、単なる老朽化対策にとどまらない地域拠点としての役割が期待されている。


ラグビーの本拠地:スピアーズ優先運用の可能性

現在、同競技場はラグビーリーグワンのクボタスピアーズ船橋・東京ベイのホームスタジアムとして使用されている。2023年からはクボタがネーミングライツを取得し、「スピアーズえどりくフィールド」の名称が用いられている。ネーミングライツは施設運営への関与を示すケースも多く、クラブの存在感は小さくない。スピアーズの前川泰慶ゼネラルマネジャーも2025年、改修の必要性を指摘したうえで「ラグビーのためだけに改修するのは難しい」と述べ、江戸川区との連携を示唆していた。

江戸川区の発表資料ではラグビー優先の明記はないものの、ジャパンラグビーリーグワン2025/26シーズンでも同会場がホームゲームに使用されている実績があり、改修後もラグビー興行の継続が前提となる可能性は高い。収容人数の拡大によって観客動員の増加や収益改善が期待できる点は、クラブにとっても大きなメリットとなる。一方、区の資料では利用主体を「プロスポーツ等」と幅広く表現しており、特定の競技に限定しない運用方針もうかがえる。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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