
2025明治安田J1リーグの湘南ベルマーレは、10月26日に行われた第35節アビスパ福岡戦に0-1で敗れ、J2への降格が決定した。
直近18試合未勝利の中で迎えた福岡戦は序盤から押し込まれ、シュート数でも圧倒される厳しい展開となったが、湘南DF陣は体を張った守備で得点を許さなかった。試合はスコアレスのまま終盤へと進んだが、試合終了間際にPKを献上。このPKを福岡のMF見木友哉に決められ、無念の敗戦となった。
思い返せば、今シーズン開幕当初は3連勝を達成するなど、一時は首位に立つこともあった湘南。しかし夏にはエースのFW福田翔生がブレンビーIF(デンマーク1部)へ、日本代表でも活躍するDF鈴木淳之介がFCコペンハーゲン(デンマーク1部)へ、DF畑大雅もシント=トロイデンVV(ベルギー1部)へとそれぞれ移籍し、これが降格要因につながったようにも思える。
J2降格が決まった今、オフにはさらなる主力流出が囁かれている。ここでは、9年ぶりにJ2へと降格する湘南で、今オフに移籍の可能性が高い主力4選手を筆者の視点で紹介していく。

鈴木章斗
1人目は、今季ここまでチームトップの7ゴールを挙げているFW鈴木章斗。
阪南大学高校(大阪府)の3年次には、第100回全国高校サッカー選手権大会で7ゴールを記録し大会得点王に輝いた。高校卒業の2022年に湘南へ加入しプロキャリアをスタートさせた。
プロ1年目の2022シーズンは、公式戦7試合1ゴールに終わったが、プロのスピードと強度を体感した経験がその後の成長につながった。翌2023シーズンはフィジカル面が一段と向上し、ポストプレーに磨きがかかったほか、ドリブルやポジショニングの良さも際立った。その結果、公式戦37試合9ゴールと飛躍のシーズンとなった。
さらに2024シーズンは、公式戦37試合12ゴールと数字をのばし、今シーズンも獅子奮迅の働きを見せていることから、J1クラブのみならず海外クラブからのオファーも十分に考えられるだろう。
現在22歳の鈴木。世界に目を向けると、FCバルセロナ(スペイン1部)のFWラミン・ヤマル(18歳)やパリ・サンジェルマン(フランス1部)のMFウォーレン・ザイール=エメリ(19歳)ら10代の選手が活躍しており、鈴木の年齢は決して若くはないと言える。オファー次第では、海外挑戦の可能性もゼロではないはずだ。

奥野耕平
2人目は、湘南で不動のボランチとして活躍中のMF奥野耕平。
ガンバ大阪の下部組織出身である奥野は、高校2年生だった2017年9月にトップチームに2種登録され、同月にはG大阪U-23の一員としてJ3のアスルクラロ沼津戦でJリーグデビューを果たした。球際が強くボール奪取能力に優れていることもあり、ボランチを担うプレーヤーとして将来が期待されていた。しかし、トップチームでは途中出場が中心で、出場機会をなかなか得られずにいた。
2023年3月、奥野は出場機会を求めて湘南へ期限付き移籍。すると同シーズンは公式戦35試合に出場し、湘南の守備に貢献。この活躍が認められ、翌2024シーズンからは完全移籍で加入している。
今シーズンも安定したパフォーマンスで出場を重ねており、J1リーグでの出場時間もキャリア最長を更新する見込みだ。今オフは、ボランチの強化を狙うJ1クラブからオファーが殺到しそうな選手の1人である。
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