
2025明治安田J1リーグ第6節の計10試合が、3月15日と16日に各地で行われた。湘南ベルマーレは16日、本拠地レモンガススタジアム平塚にてヴィッセル神戸と対戦。最終スコア1-2で敗れている。
今季のリーグ戦初黒星を喫した湘南。前半24分に相手FWエリキにフリーキックのこぼれ球をゴールに結びつけられると、同37分にも中盤でのボールロストから速攻を浴び、エリキに追加点を奪われる。後半6分にDF畑大雅のクロスに合わせたFWルキアンが1点差に詰め寄るゴールを挙げたが、ホームチームの反撃もここまでだった。
湘南の敗因と、今後に向けた改善点は何か。ここではこの2点を中心に論評していく。

改善が見られたハイプレス
この試合における両クラブの基本布陣は、湘南が[3-1-4-2]で神戸が[4-1-2-3]。3月12日にAFCチャンピオンズリーグエリート・ラウンド16第2戦(光州戦)を消化した神戸の吉田孝行監督は、長身FW大迫勇也のベンチスタートを決断。ゆえに神戸はサイドへのロングパスと、GKや最終ラインからのパス回しを使い分けていた。
神戸の最終ラインからのパス回しに湘南は緻密な守備で対抗できており、神戸の2センターバック(山川哲史とマテウス・トゥーレルの両DF)がボールを受けるやいなや、湘南のルキアンと鈴木章斗の両FWのいずれかが寄せる。これにより神戸のパス回しを片方のサイドへ追い込んだ。

神戸の左サイドバック、MF鍬先祐弥が自陣タッチライン際でボールを受けたときにはここへ湘南MF小野瀬康介が寄せ、味方最終ライン付近へ降りてくる神戸FW宮代大聖(インサイドハーフ)には、湘南MF奥野耕平もしくはMF鈴木雄斗(センターバック)が付く。右サイドにおける鈴木雄斗とMF藤井智也(ウイングバック)のマークの受け渡しも円滑だった。

神戸の右サイドバック、DF広瀬陸斗のところへパス回しを追い込んだ場合はここへ湘南のウイングバック畑が主に寄せており、ホームチームのMF平岡大陽が神戸MF井手口陽介を捕捉。神戸のウイングFW武藤嘉紀には湘南DF鈴木淳之介がマークに付いていた。
神戸の中盤の底、MF扇原貴宏を湘南2トップのいずれかが捕捉する原則も浸透しており、今季序盤5試合でマークの抜け漏れが散見された湘南のハイプレス(最前線からの守備)は改善傾向に。マンマークの分担がこの通りにならない場面もあったが、湘南の選手たちは臨機応変に対応できている。昨年のJ1リーグ覇者、神戸を相手にハイプレスが通用した点は収穫と言えるだろう。
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