Jリーグ サンフレッチェ広島

広島スキッベ監督苦言・町田の黒田剛監督賛同のファウル判定基準変更に関する署名活動開始

Jリーグ 写真:Getty Images

 Jリーグが掲げるファウルの判定基準変更を巡っては、町田ゼルビアの黒田剛監督が賛成の意向を示した一方、サンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督は2日の明治安田J1リーグ第4節・横浜FC戦後に批判を展開。ネット上では署名活動が始まっている。

 野々村芳和チェアマンは2025シーズン開幕前に「コンタクト(接触)の強さと深さの向上」、「アクチュアルプレーイングタイム(APT)の増加」を目標に、ファウルの判定基準に変更を加える方針を明言。報道によると、黒田監督は日本代表選手や森保一監督と同じく現状のレフェリングを「日本の課題」とした上で、「これからの日本にとっては、ありがたいこと」などと賛同したという。

 一方でスキッベ監督は2日の横浜FC戦後、インターネット動画配信サービス『DAZN』のフラッシュインタビューで、松尾喜文コーチの通訳を介して否定的なコメントを残している。

 「今シーズンの審判のやり方について苦言を申したいと思う。シーズンが始まる前に協会、Jリーグから『プレイングタイムを伸ばす』ということで、『審判はファウルを流す傾向にある』ということを話されたが、うまくいっていないと思っている。日本のサッカーがこれだけ良くなっていって、これだけハードになっていく、当たりも強くなっていく中で、審判がそのような流れになっていることは非常に残念」

 スキッベ監督の発言に注目が集まるなか、オンライン署名サイト『Change .org(チェンジ・ドット・オーグ)』では、3日から「JリーグとJFAへ審判方針の見直しを要求する」と題した署名活動がスタート。同サイトでは、活動開始に至るまでの背景等がこう綴られている。

 「2025年、JリーグはAPT(アクチュアルプレーイングタイム・試合の中で実際にプレーが動いている時間)を増やすリーグを目指すと開幕イベントで野々村チェアマンが発表しました。主要リーグと比較してAPTが少ない事はデータ上、確かでAPTを増やす事はJリーグの魅力向上に有効かと思えます」

 「しかし実際に開幕してみると、昨年と比較して審判員が反則を反則と判定しない事が増えてしまいました。ギリギリの反則をしたもの勝ちとなるような試合が増え、選手の怪我のリスクも増大しているような気がします」

 「選手、監督、解説者、実況アナウンサー等からも、今年の方向性を危惧する声が溢れており、何かしらの対応が必要だとの意見が多く出ています。JリーグとJFAに対し、早急に方向性の見直しと選手の安全確保に優先性を置くよう求めます。それがフェアな競技環境を保つため、そして選手達の身体を守るために絶対に必要な手段です」

 「リーグの未来と選手達の安全のため、この署名を集めて、変化を起こすための第一歩として、JリーグとJFAに提出します。今すぐ署名して、その第一歩を共に踏み出しましょう」(原文ママ)

 ファウルを流す傾向にあるジャッジを巡っては、2月26日に行われたJ1第3節の横浜F・マリノス対横浜FCをはじめ、すでに数試合でファン・サポーター等からの異論が噴出。負傷者の続出を心配するコメントが多く見受けられるが、果たしてJリーグはこうした声にどう応えるのだろうか。