MF編
嶋本悠大(熊本県:大津高校)
MFの1人目は大津高校MF嶋本悠大(3年)を挙げる。今年の高円宮杯プレミアリーグで日本一に輝いた大津で攻守の要として活躍している嶋本。足元の技術力や戦術眼が優れている点も武器であるが、何より90分ハードワーク出来る献身性が高校生の中で群を抜いている。夏には複数Jクラブの練習参加も経験しており、来季からJ1の清水エスパルスに内定している。初の冬の選手権制覇に向け大津のキーマンとなるだろう。
南創太(宮崎県:日章学園高校)
U-18日本代表で来季からJ2ベガルタ仙台に内定している日章学園高校のMF南創太(3年)。細かく繰り出される緩急をつけたドリブルが特徴。また、得意のドリブルからカットインでフィニッシュやラストパスまで持っていける力は超高校級。まさに一人でチャンスメイクできるサイドアタッカーだ。FW編で取りあげた同校FW高岡伶颯とのコンビで初の選手権制覇を目指す。
亀田歩夢(千葉県:流通経済大学付属柏高校)
流通経済大学付属柏高校からはMF亀田歩夢(3年)を挙げたい。特徴は中学生までサッカーと掛け持ちしていたフットサルで身につけた足元の技術だろう。密集地でも相手を交わし、多くのチャンスメイクが出来る。ワントラップ、ワンタッチで状況を打開できる点においては見るものを魅了する。来季よりJ2カターレ富山に内定している今大会屈指のドリブラーから目が離せない。
笹修太(北海道:札幌大谷高校)
MF編の4人目は北の大地から札幌大谷高校のMF笹修太(3年)。高校年代屈指のインターセプト能力の高さに加え空中戦の強さを誇る選手だ。札幌大谷の主な攻撃パターンとして、笹のインターセプトからサイドに展開しチャンスメイクを多く構築してきた。その働きぶりは、現日本代表でリバプール(イングランド1部)に所属するMF遠藤航を彷彿とさせる。1年次からスタメンで出場し攻守の要となっている笹の働きぶりが評価され、来季J2のFC今治に内定している。
DF・GK編
田所莉旺(東京都:帝京高校)
“カナリア軍団”帝京高校の砦、DF田所莉旺(3年)。特徴は、187センチの長身を生かした空中戦の強さに加え足元の技術を兼ね備えている点である。最終ラインから供給される精度の高いロングフィードや自らがドリブルで前線まで運ぶなど攻撃のタスクも担っている。小学生から高校2年生の昨シーズン直前まで川崎フロンターレの下部組織に在籍していた田所。昨年冬「帝京高校で全国制覇を成し遂げたい」との思いから同校サッカー部へ転籍している。U-18日本代表にも選出されるなど国際舞台の経験も十分で、世代屈指の万能型DFの呼び声も高い。冬の選手権には15年ぶりの出場となる帝京。名門復活のキーマンに注目だ。
五嶋夏生(熊本県:大津高校)
高校1年次から出場機会を掴んでいるDF五嶋夏生(3年)。190センチ・78キロの恵まれた体格を生かした空中戦の競り合いの強さに加え敏捷性に優れているのが特徴。今年、高円宮杯プレミアリーグWESTを初めて制した大津高校は、先日行われたリーグファイナルでもクロスボールやセットプレーで相手選手の前に入り、EAST王者の横浜FCユースにことごとくチャンスを作らせなかった。その結果、3-0と完封勝利で初めて真の高校年代日本一に輝いた。今大会もプレミアリーグ同様、五嶋の守備からチームのリズムを作り出し、選手権優勝を掴み取りたい。
松本果成(千葉県:流通経済大学付属柏高校)
DF・GK編の3人目には、流通経済大学付属柏高校から来季J1湘南ベルマーレに内定しているDF松本果成(3年)を挙げる。恵まれたフィジカルを生かした対人の強さに加え、自慢のスピードと無尽蔵のスタミナを併せ持っており、右サイドを制圧することができる。なかでもスプリントの回数は毎試合チームトップクラス。今年はクロス精度にさらに磨きがかかっている印象があり、攻撃面においてもワンランク上がったように感じられる。普段は右サイドバックを主戦場とするが、持ち前の攻撃力を生かしてサイドアタッカーとしても起用されることがある。今大会で他のプレーヤーを凌駕することは間違いないだろう。
小沼蒼珠(青森県:青森山田高校)
昨冬の選手権日本一を経験しているDF小沼蒼珠(3年)。対人の強さや豊富な運動量を誇っているが、その飛距離に会場が沸くロングスローは小沼の代名詞といえるだろう。今年は主将としてチームを牽引し、同大会2連覇を目指す。
藤間オタビオ広希(栃木県:矢板中央高校)
U-18日本代表にも選ばれており、今大会で筆者が最も注目しているGK藤間オタビオ広希(3年)。ブラジル系の両親から譲り受けた高い身体能力が特徴の選手だ。187センチの身長を生かしたパンチングや鋭い反応で数多くのセーブを記録してきた。なかでも今大会の栃木県予選決勝で藤間のPKストップがチームを本選出場へと導いたシーンは記憶に新しい。最後の砦としてゴールマウスの前に立ちはだかる藤間は、相手選手にとって相当なプレッシャーとなるだろう。
今回挙げた選手以外にも主役候補が数多く潜んでおり、大会中にブレイクする可能性も十二分にある。今年の冬も高校生の勇姿から目が離せない。
コメントランキング