シント=トロイデンVV(STVV)はパリ五輪U23日本代表GK小久保玲央ブライアンやDF谷口彰悟らを獲得も、ベルギー1部リーグ開幕から3連敗。早くも監督解任の可能性が報じられているほか、立石敬之CEO(最高経営責任者)をはじめ日本人幹部への不満が湧き起っているという。
元ヴィッセル神戸指揮官であるトルステン・フィンク監督の後任として、クリスティアン・ラタンツィオ氏を招へいしたSTVV。GK鈴木彩艶(パルマ)をはじめ複数の主力選手を放出した一方、谷口や小久保らを獲得。一時はFW細谷真大(柏レイソル)やDF大畑歩夢(浦和レッズ)の獲得に動く可能性も取りざたされたが、12日時点で実現していない。
また小久保やMF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁がパリ五輪U23日本代表に招集されたため、大半のプレシーズントレーニングを欠席。一部の戦力を欠いたままシーズンに突入すると、開幕から3試合で11失点と守備が崩壊。今月11日開催の第3節アントワープ戦では谷口やGKジョー・コッペンズが低調なパフォーマンスを露呈している。
ベルギーメディア『Voetbal』は12日、STVVの補強について「鈴木ら複数選手の放出で1900万ユーロ(約30億6000万円)を確保も、新戦力獲得に費やした金額は100万ユーロ(約1億6000万円)にも満たない」とリポート。移籍ウィンドウ閉鎖まで残り3週間となる中、ラタンツィオ新監督と一部の選手がSTVV幹部に対して嘆願書を提出するなど、さらなる補強を求めているという。
またラタンツィオ監督の去就については「藤田をはじめ一部の日本人選手が五輪から戻ってくるのを見たばかり」と擁護しつつも、「リーグ戦の成績で判断されるが、これがあと数週間続くと良くない」と解任の可能性を主張。
一方、一度も全選手が揃ってプレシーズントレーニングに参加することがなかっただけに「STVVの監督になりたいと思う指導者はいないだろう。ラタンツィオ監督はコミュニケーションという観点で、(立石CEOら)日本人が難しいと感じている。指揮官は前線の補強を求めているが、まだ実現していない」と綴っている。
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