Jリーグ ヴィッセル神戸

元神戸ボージャン「メッシと比較されて…」バルセロナ時代の苦悩克服語る

ボージャン・クルキッチ 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグ・ヴィッセル神戸を昨季限りで退団した元スペイン代表FWボージャン・クルキッチが、バルセロナでプレーしていた時の苦難を告白。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシと比較されたことによるメンタル面での問題を明かした上で、自分自身で見つけた解決方法も語った。27日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 同選手は2007年に16歳という若さでバルセロナのトップチームに昇格。2007/08シーズンにいきなりリーグ戦で2桁ゴールをあげると、周囲からの期待もさらに高まっていた。しかしジョゼップ・グアルディオラ監督の就任した2008/09シーズン以降は再三にわたり負傷離脱。周囲から批判を浴びる中、2011年7月にバルセロナを退団している。

 そんなボージャンは今月下旬にバルセロナの主催イベント『Sports Tomorrow Congress』に出席。10代の頃に経験したことを聞かれると、「17歳の時、僕は“新しいメッシ”というレッテルと戦わなければならなかった」と告白。

 「プレッシャーと向き合う中で少しずつ周囲のレッテルから離れて自分自身で貼ったレッテルを使うこと、自分の限界を把握して限界を受け入れること、自分の長所を見極めることを学んだよ。こうしたことは誰も教えてくれない。自分で学ぶしかなかったんだ」と、克服に至るまでの考えも語っている。

 その上で「すべてがうまくいっているときに生まれる幻想と、怪我やその他の理由でうまくいかなくなったときの扱いには大きな違いがある。選手は商品のように扱われるんだ」と、サポーターやメディアなどのサッカー選手に対する見方で持論を展開した。

 ボージャンはバルセロナ退団後、ローマやミラン、アヤックス、ストーク・シティなど複数クラブに在籍。ヴィッセル神戸には2021年8月から昨年末まで在籍しており、自身のプロキャリアで7か国を渡り歩いている。

 また昨年5月にはAFP通信のインタビューで「カンプ・ノウ(バルセロナのホームスタジアム)を去るまでは、バルセロナの扉の向こうに世界があることを知らなかったんだ。自分が生きて学ぶためのクラブや国、場所がたくさんあることに気づいた。サッカーのおかげで、このような機会を得ることができたよ」とコメント。バルセロナ退団で得られた経験を前向きに捉えている。