2010年南アフリカW杯
主な選外選手:香川真司
2008年には、初の平成生まれの日本代表選手となっていたMF香川真司。過去には世代別代表でも飛び級で上の世代のメンバーとして招集されるなど、若くしてその才能を買われ将来を嘱望された選手の1人であったが、2010年のW杯では登録メンバーから落選となっている。
しかし、W杯イヤーの7月にはドイツの名門ボルシア・ドルトムントへの移籍を果たし、その後は日本代表でも10番を背負うなど活躍。まぎれもなく日本でトップクラスの選手にまで成長した香川。その背景には、この落選による悔しく苦い経験があるのかもしれない。
2014年ブラジルW杯
主な選外選手:前田遼一
当時日本代表を率いたアルベルト・ザッケローニ監督(2010-2014)より、初陣から長く重宝されたFW前田遼一は、W杯本大会のメンバーには選ばれなかった。当時の代表には、欧州トップクラスのクラブに所属する選手が数多くおり、歴代最強と称されることも多かった。前田は海外経験は無いながら、高さと強さを武器に周囲も生かし自らも高い決定力を誇っていたことから、代表の中でもポジションは確立したものと思われた。
しかし、本大会前の東アジア選手権でFW柿谷曜一朗やFW大迫勇也が活躍すると、前田は序列を落とし結果落選となっている。前田のポストプレーもあり、魅力的かつ攻撃的なサッカーを展開していたザッケローニ体制の日本代表。歴代の落選選手の中でも、特に選外の意図を問いたい選手ではないだろうか。
2018年ロシアW杯
主な選外選手:浅野拓磨、井手口陽介、久保裕也
思えば2014年ブラジルW杯から2018年ロシアW杯までの4年間は、ドタバタの連続だった。ハビエル・アギーレ監督(2014-2015)が八百長疑惑を受けて解任。次いでアジア最終予選初戦での敗戦。最後にW杯本大会直前でのヴァヒド・ハリルホジッチ監督(2015-2018)の解任と、不安を抱えた中でのW杯出場だった。
直前の監督解任劇を受けてチームを託された西野朗監督(2018)は、これまでの代表経験や実績を考慮してかベテラン選手を中心に招集。結果的にはハリルホジッチ監督に見出された若手選手たちが、本大会出場の道を閉ざされる結果となっている。
特に最終予選終盤に活躍したFW浅野拓磨、MF井手口陽介、FW久保裕也らは、得点という大きなアピールができたところで突然湧いた監督解任のニュースには驚いたことだろう。一方で、短い時間でチーム作りを余儀なくされた西野監督の立場を考えれば、ある程度読むことができるベテラン選手の積極起用を決定せざるを得なかったと考えられるのも事実だ。
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