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チリ代表が“W杯逆転出場”?エクアドル代表選手の出生地・年齢詐称疑惑で新たな動き

バイロン・カスティージョ 写真:Getty Images

 エクアドル代表は一部選手の出生地・年齢詐称疑惑により、FIFAワールドカップ・カタール大会の出場権はく奪が噂されている。その中、カタールW杯南米予選で敗退していたチリ代表が本大会出場権を獲得するために動き出しているようだ。27日、ブラジル『TNT SPORTS』など複数メディアが報じている。

 エクアドル代表はカタールW杯南米予選でペルーやコロンビア、チリとのし烈な出場権争いをへて、4位で終了。大陸間プレーオフ圏内の5位ペルーに2ポイント差をつけて本大会出場を決めていた。また、グループステージではセネガル、オランダ、カタールと対戦することが決まっている。

 しかし南米や欧州の複数メディアが伝えたところによると、FWバイロン・カスティージョ(23)の出生地を巡る疑惑が浮上しているとのこと。カスティージョは昨年9月2日のW杯南米予選・パラグアイ戦でエクアドル代表デビューを飾っていたが、パラグアイサッカー協会は同選手の出生地がエクアドルではなくコロンビアであるという指摘。それでもカスティージョはパラグアイ戦を含むW杯南米予選8試合でプレーしていた。

 エクアドル側はカスティージョが1998年11月10日にエクアドル国内で生まれたという証拠を提示。ただ、後になって1995年7月25日に隣国コロンビアで生まれ、3年後にエクアドルで登録されたという調書が出てきたとのこと。周囲ではカタールW杯追放の可能性がささやかれている。

 その中、チリサッカー連盟がカスティージョのW杯南米予選が不正にあたるとして、エクアドル代表のW杯出場権はく奪を求めて国際サッカー連盟(FIFA)に提訴。チリ代表はW杯南米予選で勝ち点19の獲得にとどまり、4位エクアドル代表から7ポイント差をつけられて予選敗退となっている。

 しかし、仮にカスティージョの出場試合でエクアドル代表の不戦敗、勝ち点没収となった場合には、チリ代表には6ポイントが加算されるとのこと。エクアドル代表と他国代表の試合結果の兼ね合いを考慮すると、W杯本大会出場圏内の4位に浮上するようだ。

 なお、エクアドルサッカー連盟は今回のチリサッカー連盟の提訴に対して、カスティージョの国籍問題はすでに解決済みであると主張している模様。カタールW杯開幕までおよそ半年となる中、ここにきて南米予選での問題が波紋を呼んでいる。