Jリーグ サガン鳥栖

鳥栖FW豊田陽平が栃木へ完全移籍「レンタルではなく、退路を断ち…」

豊田陽平 写真提供:Gettyimages

 明治安田生命J1リーグのサガン鳥栖は5日、FW豊田陽平がJ2リーグの栃木SCへ完全移籍することを公式発表している。

 豊田陽平は2010年に京都サンガからサガン鳥栖へレンタルにより加入。移籍1年目で2桁得点をマークすると、サガン鳥栖への完全移籍を果たした2011シーズンには主力としてクラブ史上初となるJ1リーグ昇格に大きく貢献。以降、2018シーズンに半年だけ韓国Kリーグの蔚山現代にレンタル移籍したが、数シーズンにわたりチーム内で精神的支柱としての役割を果たしていた。

 しかし、今季は金明輝監督が下部組織出身の若手選手を積極的に起用していることもあり、ここまで公式戦2試合での先発出場にとどまっている。また、同選手は5月5日に行われたYBCルヴァンカップ・グループステージ第5節・北海道コンサドーレ札幌戦での途中出場を最後にピッチに立っていなかった。

 同選手はサガン鳥栖退団について「いつもサガン鳥栖へ、どんな時でも熱い熱い応援をいただき、ありがとうございます。この度、豊田陽平は栃木SCへ完全移籍する決断をしましたことを報告させていただきます」

 「サガン鳥栖でプレーして12年。J2得点王、J1昇格、Jリーグベストイレブン、日本代表選出など多くの経験と成長がサガン鳥栖と共にありました。そしてサガン鳥栖で過ごした全ての時間が特別なものであり、どんな時も自分の背中をしっかりと押してくれたのはサガン鳥栖サポーター皆様の存在でした。サガン鳥栖サポーターの皆様と共に味わった感動の日々は、どんなに苦しい時でも正々堂々と真っ直ぐに進んで行きたい自分の気持ちに寄り添ってくれるものでした。そんな思いを背負ってプレーすることができた自分は本当に幸せでしたし、これからも皆様と共に喜びを分かち合っていきたいと思う気持ちは変わりません。ただ自分自身がその気持ちに応え、表現ができるのは、最後の最後までピッチの上で戦い続け、泥臭くても、勝負にこだわり続け、ゴールにこだわり続ける姿であるとも思っています」

 「皆様に支えてもらった日々のことを考えるとこれまでにないくらい苦渋の決断ではありましたが、皆様の思いを感謝に変えて、プロの世界の中で戦い続けていきたい、自分自身を表現し続けていきたいと思い移籍を決意いたしました。本当に大きく大きく成長をさせてもらった皆様に感謝の気持ちしかありません。そしてまだまだ言いたいことも伝えたいこともたくさんあります。ですが、これからの自分自身の姿を見てもらうことで豊田陽平からの気持ちを受け止めていただければありがたいです。最後に、サガン鳥栖を愛してくださる皆様、本当にありがとうございました」とサポーターにメッセージを送っている。

 そして栃木SCへの加入については「栃木SCを愛する皆様、サガン鳥栖より加入しました豊田陽平です。チームも私もまだまだ成長できると確信し、お世話になることを決めました。レンタルではなく、退路を断ち完全移籍という意味がまず、私が最初に皆様にみせる誠意です。これまでと変わらずチームを最優先に、自分にできる役割をしっかり果たし、クラブがより前進できるよう努力していく所存です。よろしくお願いいたします」とクラブ公式サイトを通じて意気込みを語った。