大会:セリエA
カード:インテルvsミラン
スコア:1-0
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko)
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審
マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):マウロ・イカルディ
これぞエースという、アディショナルタイムの劇的なゴールでチームを勝利に導いた。ミラノダービーという特別な試合であること、チームの順位表での立場を考えると、この1点の重みは計り知れない。
ザ・ハード・ワーカー(THW):マルセル・ブロゾビッチ
素早いカバーリングで、周囲の選手をサポートし続けた。彼が何度ミランのカウンターの機会を奪ったかわからない。攻撃面でもしっかりと自分の自由を生み出しながら、ボルハ・バレロやマティアス・ベシノがついたルーカス・ビリアの脇のスペースにボールを供給し続けた。
モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):ジャンルイジ・ドンナルンマ
好セーブもあったが、最後の最後で失態を犯してしまった。1つのプレーを取り上げて、MDPに選ぶことは厳しい気もするが、それだけのミスだった。
インテルの攻撃vsミランの守備
基本的にワンボランチであるビリアの脇のスペースを狙ったインテル。これに対して、ミランは最後まで明確な答えを出すことができなかった。最終ラインからつなぐインテルに対して、ミランは前線から制限をかけたものの、インテルの選手たちは冷静にロングボールを選択し、前線の選手もロングボールへの備えをしっかりとしていたため、プレスの回避には成功している。
インテルの攻撃の軸となったのはクロス。ベシノやボルハ・バレロが2ライン間でボールを受けサイドに展開、もしくはボックスよりもやや低い位置から早めのクロスを入れることで、ミランのマークをはがしにかかった。ただ、ミランも2CBはマークを外すことなく対応。しかし、最後の最後でイカルディにつききれず失点を喫した。
ミランの攻撃vsインテルの守備
ロングボールも選択肢に入れていたインテルに対して、ミランはつなぐことに強い意識を持っていた。そのため、高い位置から効果的にプレスをかけるインテルに押し込み返される場面が目立つ。それでもフランク・ケシエの局面の強さや、スソをビルドアップに参加させることで、攻撃につなげた。
インテルのプレスに苦しんだミランはケシエを高い位置に置いて、後半から徐々に一つ飛ばしたパスを出すようになるものの、周囲の選手のサポート不足(こぼれ球への準備など)により、うまく収めることはできなかった。パトリック・クトローネを投入し、展開を打開しようとしたが、いかんせん左サイドで試合を作る時間が多く、フィニッシュに絡む回数は非常に少なかった。
インテル監督:ルチアーノ・スパレッティ
しっかりとした準備を行って試合に臨んだ。ビルドアップ、セットプレー、すべてにおいてミランへの対策を行い、機能させることに成功。早い時間にラジャ・ナインゴランを下げざるを得なくなったが、途中出場のボルハ・バレロとベシーノが効果的にポジショニングをとることでカバーし常に優位性をもって勝利した。
ミラン監督:ジェンナーロ・ガットゥーゾ
戦術的な柔軟性に課題の見える試合となった。ミランのビルドアップに対してしっかりと研究してきたインテルに対して、つなぐ意識を強くしすぎたところは否めないだろう。ビリアの両脇のスペースを晒し続けた点は疑問が残る。後半にクトローネを投入してからは、もっと右サイドで組み立てる意識を選手に持たせるべきだった。ただ、チームとしての完成度は上がっている。今後に期待はできるだろう。
主審:マルコ・グイダ
ビッグマッチに相応しいとは言えないレフェリングになった。とるべきファールを見逃す場面が多く、インテルはフラストレーションが溜まっただろう。イエローカードが多くなったのは、試合の性質上致し方ない部分もある。
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