ラ・リーガ セビージャ

Dr.TRIBE【試合診断書】 ラ・リーガ第6節 セビージャ対レアル・マドリード

大会:ラ・リーガ
カード:セビージャvsレアル・マドリード
スコア:3-0
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):エデル・バネガ

チームの中心としてアンカーのポジションで先発。攻撃では確かなビジョンとキープ力でテンポを作り、守備でも横へのスライドをこなしながらモドリッチを苦しめた。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ヘスス・ナバス

1点目と2点目の場面で素早い飛び出しからゴールを演出した。右サイドでマルセロを押し込み、攻撃での1対1ではほとんど勝利を収めた。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):マルコ・アセンシオ

全く見せ場がなくシュートも0本に終わった。カリーソ、サラビア、ナバスの守備に対して身動きが取れず、最後まで自分の居場所を見つけられなかった。


セビージャの攻撃vsマドリードの守備

セビージャ:ショートカウンターから2得点を奪ったセビージャ。その他にも相手の横パスを狙ってプレッシャーをかけ、奪ってからチャンスを作った。

しかし遅攻になっても、前からプレスをかけてこないマドリードに対して、3バック+10番のバネガでボールを回しながら17番のサラビアと22番のバスケスにボールを当てて、攻撃を前進させた。

マドリード:前半は4-2-3-1のオーガナイズで、相手と完全にポジションがマッチアップする形だったが、前からプレッシングに行くことは稀で、ハーフライン付近からプレスを開始していた。

相手2トップと2CBが同数になるのを嫌ったのか、後半から14番のカゼミーロを完全にディフェンスラインまで下げて3バックに。後ろで3vs2の数的優位を作った。しかしその副作用として中央で2vs3を作られ、バネガにプレッシャーがかからなくなった。


マドリードの攻撃vsセビージャの守備

マドリード:5-3-2の守備を敷いてきた相手に対して、いかに相手の3の脇を使うかを模索。主に幅をとっていたのは、左は12番のマルセロ、右は11番のベイルだった。ボールを左右に振りながらスライドの遅れを発生させ、相手の中盤ラインの脇に8番のクロースや10番のモドリッチが顔を出して基点を作る。

相手の中盤ラインの横、もしくは前ではボールを持てるものの、中央を締めた相手の3CB間には入って行けず。3トップの距離が遠く、9番のベンゼマもボールをもらうために下がってきてしまい、ゴール前に人がいなくなる時間が多かった。

セビージャ:5-3-2のラインで中央を締めながら、できるだけ5のそれぞれの間に選手とボールを入れさせない守備を徹底。中盤の両IHはスライドして相手SBまでアプローチに行くことが求められていたため、運動量が必要だった。

左右のハーフスペースにはそれぞれ6番のカリーソと3番のゴメス陣取り、ベイルとアセンシオにプレースペースを与えない。DFラインが引き出されないために、相手のSBは、ディフェンシブサードに入ってくるまではソフトカバーで対応していた。


セビージャ監督:パブロ・マチン

狙い通りの展開で、前半で3-0と試合を決めた。ここのところ得点を量産していることもあり、この試合でもベン・イェデルとシウバの2トップをチョイスし、その選択も大当たり。両者がしっかりとゴールネットを揺らして金星を手にした。

エスクデロが離脱中で心配された左サイドも、アラーナには守備第一でプレーさせることで安定感をもたらし、中盤を3枚にすることで、ヘルプにも行きやすい状態を作った。スタジアムと一体となった選手たちの気迫あふれるパフォーマンスで、ここからリーグ戦でも調子を取り戻すはずだ。


マドリード監督:フレン・ロペテギ

鬼門サンチェス・ピスファンでは今シーズンも勝てず。圧倒的なセビージャファンの雰囲気の前に沈黙したマドリードの選手たちは、良いところなく首都へと帰ることになった。モドリッチをトップ下で起用する4-2-3-1を採用し、人を埋めやすい布陣だったにもかかわらず、プレスは控えめ。セビージャの3バック+GKが決して足元の技術に優れているわけではなかっただけに、疑問が残る。

マルセロの負傷はロペテギ監督にとって悪夢だろう。現在のチームで最も替えの利かない選手のひとりであり、彼がいないだけでゲームプランは大きく変わる。バルセロナも今節負けたことで、勝ち点を離されることはなかったが、不安の残る試合となった。


主審:エルナンデス・エルナンデス

選手の異議に対してコミュニケーションをとろうとせず、クロースとモドリッチに立て続けにイエローカードを出したシーンは受け入れがたい。リーガではよく見る光景だが、改善が必要だ。VARで判定が覆ったモドリッチのゴールは、もちろん正しい判定だった。