アジア Jリーグ

開幕戦からパスが半減した浦和。スタッツが示す横浜FM戦後半に露呈した未熟さ

著者:マリオ・カワタ

 浦和レッズの苦しい戦いが続いている。開幕4試合で勝ち点2は、2005年以来最悪のスタートだ。昨季はAFCチャンピオンズリーグで躍進する一方でJ1では勝ちきれない試合が多かったが、国内に集中できるはずの今季も事態は改善するどころか深刻さを増している。データ分析プラットフォーム『Wyscout』のスタッツから、18日に行われた第4節横浜F・マリノス戦のパフォーマンスを振り返ってみよう。

 この試合へのアプローチでまず目を引くのは、堀孝史監督が従来の4-3-3ではなく4-4-2を採用したことだ。武富孝介が最前線で興梠慎三の近くでプレーし、中盤のサイドには左に武藤雄樹、右に長澤和輝を配置している。前線から相手により積極的にプレッシャーを掛けると同時に、ウイングをサイドに張らせた状態では孤立しがちだった興梠をサポートする狙いもあったのだろう。

 各選手の平均ポジションを見ても武富が最前線に位置し、武藤と長澤はサイドに張り出してはいない。特に武藤はサイドに縛られないことで前半は本来の持ち味を発揮し、チーム最多となる4本のシュートを放っている。また長澤は右サイドバックの攻撃参加を促し、菊池大介がダントツでチームトップとなる6本のクロスを提供している。

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