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浦和がACL優勝するために必要なこと。崖っぷちで挑む準決勝、上海上港に打ち勝てるか

浦和の前に立ちはだかる上海上港

フッキ(左)とオスカル(右) 写真提供:Getty Images

 上海上港はここ5試合で4勝しており、そのうちの1敗でも実際のところは勝利となった。ACL準々決勝第2戦で広州恒大淘宝足球倶楽部に5-1で敗北するも、2試合合計5-5に決着をつけるPK戦を上海上港が勝ち抜けたからである。それ以上にすごいのが上海上港の驚異的なホーム戦の記録で、2016年6月16日以降31試合で負けがない。ACLでもホームでは負けておらず、11勝1分0敗を記録している。

 フッキ、オスカル、エウケソン、ウー・レイ、オディル・アフメドフといった上海上港の攻撃勢力を止めるのは簡単ではないだろう。あるいはポルトガル出身のアンドレ・ヴィラス・ボアス監督の最近の動向から、エウケソンが先発メンバーから外され続けるならばそれも少しは緩和される可能性もある。浦和はすでにグループステージにおいて彼らとの対戦を経験済みで、上海では3-2で敗北、埼玉では1-0で勝利している。勝点で並び、アウェーゴール方式に基づいてグループトップとなった浦和にとっては十分な結果であった。

 上海上港は現在中国サッカー・スーパーリーグ(CSL)において、勝点54で2位につけている。得点はリーグ最高で、失点は2位だ(試合数26、得点62、失点29)。残すところ4節にして、広州恒大が7回連続となるCSLタイトル獲得に向かっている。ルイス・フェリペ・スコラーリ監督率いる広州恒大は4点の勝点差を保っているからだ。つまりACLが上海上港にとって輝かしい初タイトルの最大の望みとなる。浦和戦は彼らにとって、クラブ史上最大の重要な試合となるだろう。浦和も同じメンタリティで対戦に臨むべきである。

 システムに大きな変更や改正を行なう時間はない。浦和はトーナメント最強の攻撃記録(10試合26ゴール)で、今のところ全ホーム試合勝利という自らの強みをさらに発揮しなければならない。浦和の選手達がACLの夢を持続させるために変える必要があるのはメンタリティだ。中国でプレーする中で明らかにさらされるであろうプレッシャーに耐えるには、そして個人的なエラーを最小限に抑えるには、強力な精神が必要である。昨年Jリーグのプレーオフ前に鹿島の小笠原満男がみせたように、全ての選手を集めて率直な意見を交わし、ここまでの調子の悪さをリセットすること誓う。それを誰かが乗り出して行う時だ。多くの浦和の選手にとっては、これがキャリアの中で最も重要な試合の1つともなる。彼らが歴史を作る時がきた。

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