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大迫勇也、ブンデスの点取り屋へ成長できるか。二桁得点へ邁進するストライカーの現在地を大迫の元通訳が分析

 シュテーガー監督は昨シーズン、モデストの能力に大きく依存していたため、異なるシステムを試すかもしれないとしている。直近のアイントラハト・ブラウンシュヴァイク(リーグ2部)戦では4-4-2を試し、2-2の引き分けに終わっている。ユルディンゲン(リーグ4部)戦では4-1-3-1-1を試しており、こちらも0-0の引き分けで大迫はスタンドでの試合観戦となった。

 シュテーガー監督は現地メディア『Generalanziger Bonn』で「多くの可能性とアイディアで溢れている。我々は選手たちに適した形で試合を戦う必要がある」と話している。これは、大迫さえもベンチの選手となってしまう可能性があるということだろうか。「昨シーズン、大迫とモデストは最高のコンビとなった。今、我々は新たなコンビを見つけ出さなければならない」ともコメントしており、そのコンビに大迫が含まれているのか、どんな役割を与えられるのかということを我々は注目する必要がありそうだ。いずれにせよ、何が起こってもおかしくないというのが現状である。

 昨シーズン、大迫はボールキープをし、彼のパートナーであるストライカーにボールを供給するという変わった役割を与えられていた。こういった大迫のチャンスメイクやゴールを演出するプレーにより、特にモデストは活躍することができた。モデストは退団してしまったが、チームの見通しが明るいことは大迫のパフォーマンスにある。

 今季の大迫は再びジョン・コルドバ、アルチョムス・ルドニェフス、セール・ギラシといったセンターフォワードの後ろでプレーすることになるだろう。チームメイトがどれほど得点を決めるかによって大迫への期待は変わる。モデストがいない今、同選手の期待が大きくなることもある。

 どちらにせよ大迫本人が語ったように、彼は2桁得点を目指している以上は挑戦のシーズンとなるだろう。ペーター・シュテーガー監督にはシーズン開幕まで1ヶ月の時間がある。開幕節はボルシア・メンヒェングラッドバッハとのダービーだ。果たして大迫はどのような役割で初戦に臨むのだろうか。

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