ラ・リーガ レアル・ベティス

Dr.TRIBE【試合診断書】 ラ・リーガ第3節 レアル・ベティス対セビージャ

大会:ラ・リーガ
カード:レアル・ベティスvsセビージャ
スコア:1-0
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ホアキン・サンチェス

ベティスに今季初得点と初勝利、そしてエル・グラン・デルビーでの勝利をもたらした。途中出場から確実にチャンスをものにし、さすがの存在感を放った。

ザ・ハード・ワーカー(THW):セルヒオ・カナレス

右サイドのハーフスペースで中間ポジションを取り、人を見る傾向にあったセビージャの守備に問題をもたらした。インテリジェンスの高さをこの試合でも証明し、守備でもプレスを怠らなかった。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):フランコ・バスケス

このチームにおいては、特に攻撃で違いを生み出すことが期待されている選手だが、この試合ではほとんどボールに触らせてもらえず、1人少なくなった影響もあり途中でピッチを退いた。エスクデーロが欠場したことも彼にとっては難しかった。


ベティスの攻撃vsセビージャの守備

ベティス:いつもと変わらずGKから丁寧にショートパス主体で組み立てていくスタイルだったが、この試合ではセビージャ側が人を埋めてきたため、相手を引き付けておいてパウからロレンへのロングボールがより機能した。

カナレスのポジショニングは彼の個人的な判断もあるだろうが、相手の3トップに対して、マンディが右SB、フィルポが左SBのように振る舞って4バックでビルドアップしていたことと、それに伴って乾が左のワイドに、テージョが右のワイドにポジションをとっていたことを見ると、計画されていたのだろう。ホアキンの投入で3-1-4-2にシフト。

セビージャ:3-4-2-1vs3-4-2-1のがっぷり四つで人を埋めて、フォアチェックをする形で試合に入った。カナレスがポジションを変え始めてからは、ハーフライン付近からのプレスに変更し、ある程度受ける布陣に。

カナレスに対してどのように守備をするのか、最後まで解決策を見いだせず、完全にゲームを支配された。ゴメスが食いつくことで生まれる裏のスペースは、他の試合でも使われていたため、早急な改善が求められる。


セビージャの攻撃vsベティスの守備

セビージャ:基本的にはカウンターからチャンスを作ろうとする傾向が強かった。GKと3バックがパス出しに優れた選手ではなく、スピードもあまりないため、後ろが重たく高い位置をキープするのが難しかった。

ベティスの前からのプレスを外した際は前で3vs3が作れたが、全体の位置が低かったために単発の攻撃に終始した。計画的に押し込まれた左サイドのアラーナにもっと高い位置をとらせたかった。

ベティス:基本的には3バックに対して前の3枚でプレッシャーをかけ、後ろの選手たちも自分の前にいる選手を捕まえ、3-4-2-1に対して一人ひとりが完全にマッチアップする形。ロングボールを蹴らせてディフェンス陣がそれを回収。

バネガやサラビアなどにはがされた時に、ピンチを迎えるシーンはあり、最終ラインまで同数なので個人の守備力に依存した。


ベティス監督:キケ・セティエン

今節も3-4-2-1をチョイス。テージョを右のWBで先発起用。攻撃時にWGのように振る舞わせることで計画的に右サイドから押し込んだ。しかしテージョ自身の出来は良くなく、完全にノッキングを起こしていた。

まだ3節を終えたばかりながら、徐々に相手に応じて先手を打ってチームに変化を加える対応力の高さを見せている。不安定さが見られたカルバーリョの起用法も今後変えていくはずだ。


セビージャ監督:パブロ・マチン

少し慎重に試合を進めすぎた印象は否めない。メサの退場はアンラッキーだったが、あの状況でベティスにとって最も出されたくない選手は、ベン・イェデルだったはず。引き分けでOKなプランだったのだろう。

補強が上手くいかなかったのは彼の責任ではないが、3バックの人選とそれに伴うゲームプランは今後マチンを悩ますはずだ。メルカドが長期離脱となれば、台所事情はさらに厳しいものになる。


主審:ヒル・マンサーノ

この試合の主役のひとりになってしまった。メサの退場処分はあまりにも厳しすぎた。カナレスのゴールがオフサイドだったのはVARの判断であり、正しかっただろう。判断の基準があいまいで、バネガに対してイエローカードが出されるべきシーンを見逃す場面も。両チームにとってフラストレーションの溜まる試合になった。