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浦和レッズ補強の裏側明かす!海外スカウト「ビジネスや縁故関係多すぎる」

浦和レッズ 写真:アフロスポーツ

 浦和レッズのスカウト担当者であるエミリオ・ロレンソ氏が、母国スペインのメディア『Estadio Deportivo(ED)』の独占インタビューで、同クラブの補強に言及。日本の移籍ウィンドウにおける特徴についても語っている。

 ロレンソ氏は自身のスカウティング作業を「才能を見つけ、継続的に追跡し、さまざまなサッカー文化を理解すること」とコメント。業務量は膨大だが、最も多くサッカーを見た2024年は年間で「1400試合、1日平均3.8試合ほど」にのぼり、冬の移籍期間だけで246試合をチェックしているとのこと。スカウトの日常は過酷であり、「スポーツの状況によって日常は大きく変わる。午前3時に起きて試合をライブで追う日もあります。さまざまな時間帯に柔軟に対応する必要があります」と、その舞台裏を明かしている。

 ロレンソ氏によると、およそ10年前にスカウトとしてのキャリアをスタートさせた当時と比べ、その職業観や分析手法は劇的に進化したという。かつては個人の感覚に頼る部分も多かったが、現在は「Wyscout(ワイスカウト)」をはじめ、あらゆるデジタルプラットフォームを駆使。本人は「分析の深さや選手プロフィールの複雑さは大きく進化しました。自分の視野は広がり、分析方法はより包括的になり、仕事はさらに深くなった。この世界への理解は、当時の1%にも満たなかったと思います」と述べている。

 しかし、どれほどテクノロジーが進化し、膨大なデータが手に入ったとしても、彼が最も重視するのは「人間」としての適応力。特に日本という独自の文化を持つ国において、ピッチ上のパフォーマンスだけで選手を評価することは致命的な失敗を招きかねないという。

 同氏は「選手がスタイルに合っていても、気候や国、チームメートに適応できない可能性がある。周囲の環境も重要だ。日本のように独自の文化を持つ国では、潜在能力と同じくらい人柄も重要です」と断言する。

 そんなロレンソ氏は、現在の移籍市場を取り巻く構造的な問題に、強い危機感を抱いているも模様。浦和の補強について「浦和では、日本文化に適応できるリーグを中心に分析し、差別化できる選手を提案しています」と述べる一方、「ビジネスや縁故関係が多すぎます」と指摘している。

 この代理人文化の過度な介入について、同氏は「本来のスカウティングが少し失われている。月に100試合を見て、『コロンビアに優れた中盤盤がいる、獲得しよう』と言えるような仕事が減っている」とコメント。代理人の提案には「論理的で優れた提案も多い」と認めつつも、それが「スポーツディレクションに良い影響と悪い影響の両方を与える」と、スカウトの矜持とビジネスの論理が衝突する葛藤をにじませている。