アジア 北海道コンサドーレ札幌

ベトナム戦のスパチョークのゴラッソはマナー違反。高まる批判に本人が釈明

スパチョーク・サラチャート 写真:Getty Images

 東南アジア最強を決めるASEAN三菱電機カップでは、1月5日にバンコクで決勝2ndレグの試合が行われ、アウェイのベトナム代表がタイ代表を激戦の末に3-2で下した。ベトナムは2試合合計5-3(2-1、3-2)で3大会ぶり3度目の優勝となった。

 試合自体も逆転に次ぐ逆転で、非常にドラマチックなものとなったが、それ以上にブラジル出身のベトナム代表FWグエン・スアン・ソン(元ベガルタ仙台ラファエルソン)の骨折による負傷退場や、両チームで横行したラフプレー、そして、タイ代表MFスパチョーク・サラチャート(北海道コンサドーレ札幌)のフェアプレー精神に欠いたシュートシーンが話題となっている。

 問題のシーンは1-1で迎えた64分に発生。味方からのパスを受けたスパチョークが目の覚めるようなミドルシュートを突き刺してタイが勝ち越した。素晴らしいシュート精度だったが、問題はその直前のプレーにあった。ベトナムのGKは自陣に味方選手が倒れこんでいるのを確認すると、ボールをライン外に投げ出した。治療後、タイのスローインで試合が再開したが、味方からのボールを受けたスパチョークは、ベトナムにボールを返さずそのままミドルシュート。不意を突かれたベトナムは対応が間に合わずに失点。ベトナムは主審に猛抗議したが、ゴール判定が覆ることはなかった。

 このプレーを観ていた東南アジア各国のファンからは、「日本人の石井が監督なのにタイの選手はフェアプレー精神がない」、「これは恥ずべきゴール」、「醜く勝つなら、美しく敗れたほうがいい」など批判の声が殺到。当然、ベトナムのファンからの批判はより強烈なものだった。

 これを受けたスパチョークは試合翌日『サイアムスポーツ』の取材に応じ、問題のシーンについて以下のように釈明しなければならなかった。

 「プロ選手として、アンフェアなプレーをすることはない。あの場面ではタイが攻め込んでいて、僕自身も相手選手に蹴られて倒れていた。危険なプレーだったので相手にはイエローが相応しいと主審に抗議していたから、ベトナムのGKがボールを外に出したことには気づかなかった」

 「判定に対する不服とスタジアムの雰囲気による緊張感もあって、僕は見方からパスを受けると本能のままシュートを放った。ゴールが決まると、ベトナムの選手たちが一斉に抗議してきた。あの時の僕は状況をよく把握していなかった。これまでのキャリアを通してスポーツマンシップに反した行為は決してしてこなかった。今回の件は僕の誤解で生まれたものだ」