ブンデスリーガ アイントラハト・フランクフルト

長谷部が欧州トップクラブ初のアジア人監督になれる理由とは…

長谷部誠 写真:Getty Images

 アイントラハト・フランクフルト(ドイツ1部)で304試合に出場し、昨2023-24シーズン限りで現役を引退した長谷部誠。フランクフルトのU-21チームのアシスタントコーチに就任し、指導者としての第一歩を踏み出すことになった。

 そんな長谷部が監督として成功するであろうとして、シンガポールのサッカージャーナリストであるガブリエル・タン氏が『ESPN』シンガポールでその理由を綴り、他のアジアサッカー連盟の候補者たちよりも明らかに有利であり、最高のチャンスだと伝えている。

 「アジアのチームの実力は上がっているにも関わらず、アジア人がヨーロッパの有名クラブで指揮を執った例はなく、長谷部にかかる期待は大きい。彼はすでに認められているのだ。手本とされ、尊敬される選手として積み上げてきた信用によって、ヨーロッパで直接コーチの道をスタートできるだけのキャリアがあった。元日本代表主将は引退前から、フィールド上、練習時、ベンチからチームメイトに指示やアドバイスを与える姿がよく見られた。現役時からコーチとしての腕も磨いていた」

 「2023-24シーズン終了後に引退するまでに彼は2009年にヴォルフスブルク(ドイツ1部)でブンデスリーガ優勝。FIFAワールドカップで3大会連続(2010、2014、2018)で日本代表のキャプテンを務め、AFCアジアカップでは優勝(2011)、日本代表では114試合出場した。フランクフルトでも最も長くプレーした選手であり、DFBポカール(2017-18)とヨーロッパリーグ優勝(2021-22)を経験し、ブンデスリーガでアジア人プレイヤー最多出場記録を樹立した」

 「さらにヨーロッパの5大リーグに所属するだけでなく、フランクフルトという老舗クラブで指導者の道を踏み出すことになる。クラブはブンデスリーガ創設時からのチームのひとつで、この大会が創設されて以来60年あまりの間、1部から6シーズンしか離れていない」

 また、元フランクフルトの監督であるアドルフ・ヒュッター氏(モナコ)が、長谷部を「絶対的なゴッドハンド」でありサッカー選手としても人間としても「傑出している」と評したことや、もう1人の元監督であるオリヴァー・グラスナー氏(クリスタル・パレス)の「長谷部は常に頼りにされる存在であった」とのコメントも交えている。

 引退会見でフランクフルトの監督になることが目標だと語っていた長谷部。指導者としてどのような道が待っているのだろうか。