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【独占】三國ケネディエブス「青森山田と町田の近似点とは?」インタビュー後編

三國ケネディエブス 写真:Getty Images

2019年に青森山田高校からアビスパ福岡へと入団し、プロ生活をスタートさせたDF三國ケネディエブス。193cmの高さを武器に1年目からリーグ戦11試合に出場すると、2021年からは約1年ほど栃木SCへと期限付き移籍し経験を積み、デビューから昨2023シーズンまでの計5シーズンではリーグ通算82試合に出場してきた。

2024シーズンは名古屋グランパスに移籍し、新たなクラブで定位置を掴むとリーグ戦では開幕からすべての試合でフルタイム出場を続けている三國。2020年、福岡所属時のインタビューから約4年。再び独占インタビューが実現した。

全試合フル出場の要因やJ1での初ゴールについて語った前編に続き、この後編では、黒田剛監督のもとで学んだ青森山田時代とプロデビューした福岡、そして現在所属する名古屋それぞれで感じた問題点や自身の変化、今後の目標について訊いている。

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三國ケネディエブス 写真:Getty Images

恩師率いる町田との対戦

ーここからは過去についても質問させてください。青森山田での高校時代、現在FC町田ゼルビアで監督を務めている黒田剛氏から指導を受けました。当時、黒田氏からは主にどのようなことを学びましたか?

三國:CB(センターバック)として当時よく言われていたのは「センターバックでギャンブルなプレーはするな」ということでした。CBがむやみに相手の間を狙い縦パスを無理やり通したり、足元でごちゃごちゃこねたりするなと。高校時代は本当に「ザ・ディフェンダー」のような感じで学んでいました。

ー黒田監督率いる町田はJ1で1年目ながら上位を争っています。三國選手から見て、当たり前という感覚なのか驚きなのか、どちらでしょう?

三國:正直、高校レベルとプロのレベルとでは訳が違うので当たり前とは思っていません。驚きの方が大きいです。僕は高校時代に黒田さんのもとでサッカーをやっていて、負けずに点も取れるサッカーでした。その部分を踏まえるとプロでもしっかり結果を残せるんだなと思いましたね。

ー第2節にはその町田と対戦しました。どんな印象でしたか?

三國:やりにくかったですね。FWに強くて上手い藤尾(翔太)選手がいて、サイドにも足が速くてドリブルも上手い平河(悠)選手とバスケス・バイロンがいて。攻撃が多彩なチームだと思いました。

ー戦術的に当時の青森山田と近いところはありましたか?

三國:近い部分はありましたね。でも、僕が青森山田の時は年や選手によってチームのスタイルが変わっていました。僕はバスケス・バイロンと同い年なんですけど、バイロン同様突破からのクロスなどを武器にしてやっていた部分があったので、その当時と結構似た感じでした。


三國ケネディエブス 写真:Getty Images

プロ入り6年目の変化

ー高校卒業後の2019年にプロ入りしました。当時と現在を比較して、何かプレー面での変化は感じますか?

三國:プレーが変わったというよりは、メンタルが少し強くなりました。また考え方だったりサッカー戦術の理解度だったり、そういうところのレベルが非常に上がったかなと感じますね。

ーそれはいろいろな方に指導を受けたり、様々なチームでプレーしてきた経験によるものでしょうか?

三國:そうですね。CBを始めて1年後に福岡に入団したというのもあって、当初はどうしてもプロとは言えないくらいのCB能力でした。けれど、いろいろな監督さんに学んだり先輩に学んだりと5年間で積み上げてきたものが今年活かされつつあるかなと感じます。

ーアビスパ福岡では何人かの指導者から指導を受けました。なかでも1番長く指導を受けた長谷部茂利監督から言われたことで、印象に残っているものはありますか?

三國:僕がもともとFWをやっていてちょっと足でこねたがるところがあったので、長谷部監督からはCBがボールを持って切り返しはやらないようにと。「シンプルに、シンプルに」と言われていましたね。

ー2021~2022シーズンには、栃木SCへの期限付き移籍を経験されました。栃木から戻った後、プレーの安定感が増していた印象ですが、転機になった部分はありますか?

三國:2022年のシーズン、栃木ではJ2で3試合しか出られず、それで危機感を持ちました。練習はもちろんちゃんとやっていましたが、よりちゃんと色んなことを意識しながらやるようになりましたね。それと、福岡に(2022年の)夏に戻ってレベルの高い選手たちとトレーニングをしている中で(第29節)横浜F・マリノス戦でスタメン出場のチャンスをもらいました。「ここでダメだったらもう後がない」と感じていたので、その試合に集中してチャレンジできた部分があります。

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名前河合脩瑛
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