エンゼルスからフリーエージェント(FA)となった大谷翔平は、日本が誇るスター選手だ。その大谷の実績や人間性には、韓国メディアも感銘を受けている模様。トッテナム・ホットスパー所属の韓国代表FWソン・フンミンと肩を並べる存在として、両選手の共通点を探っている。
投打二刀流として有名な大谷は、今年3月のワールドベースボールクラシック(WBC)で侍ジャパンの優勝に大きく貢献。今季MLBでは打者として135試合に出場し、打率3割超え。ホームラン44本を放ったほか、23試合に先発登板し、2桁勝利を挙げている。
一方、ソン・フンミンはMF三笘薫(ブライトン)らとともにプレミアリーグを代表する選手として活躍。2021/22シーズンにアジア人初となる得点王のタイトルを獲得したほか、今季からアンジェ・ポステコグルー監督のもとキャプテンとしてチームをけん引している。
韓国紙『朝鮮日報』は今月23日に「ソン・フンミン対大谷翔平、誰がアジアで最も偉大な選手なのか」と見出しをうち、同国内で両選手の比較が盛んである現状をリポート。大谷とソン・フンミンの実績を紹介した上で、以下のように綴っている。
「彼らのステータスを直接比較することが難しいことは、ファンならはっきりと理解できるだろう。そもそも、両者がプレーするスポーツは異なるし、サッカーと野球の世界的な人気や格もかなり違う。FIFAワールドカップやWBCへの関心の高さも、その違いと理解できそうだ」
「しかし、この異質なライバル関係にファンが熱狂するのは、フィールド・ピッチ内外で常に天才的な感動を生み出しているという共通点があるからだ。スタジアム外では模範となり、スタジアム内では正々堂々と競い合う者たちの汗はどれほど美しいものなのだろうか。サッカーと野球で、似た者同士が同じ時代にこれほどまでに堂々たる姿を見せたことがあっただろうか」
「ソン・フンミンや大谷の前にも、イチローなどアジアのサッカーや野球のスターはいた。しかし、大谷やソン・フンミンが登場するまで、欧米メディアは“怪物”といった言葉で、このブームを異常なもの、一時的なものだと割り引いていた。ここには『アジア人はサッカーや野球の主役にはなれない』というような、暗黙の優越感や差別意識も埋め込まれていたと思う。ソン・フンミンと大谷はこの偏見を打ち破った。2選手ともに、誇り高きワールドクラスのスターなのだ」
ただ日本の野球界では、かつてオリックス・ブルーウェーブやシアトル・マリナーズなどで活躍したイチロー氏が、MLB通算3089安打、509盗塁をマーク。華々しい成績を残してマリナーズの球団殿堂入りを果たすなど、アメリカでの偏見を打ち破っているだけに、今回の韓国メディアの主張に違和感を抱くスポーツファンも多いはずだ。
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