セリエA インテル

ナポリの隊形変化に動じず。インテルは無敗の首位チームをどう止めたのか【試合分析】

インテル GKアンドレ・オナナ 写真:Getty Images

ナポリを脅かしたインテルのビルドアップ

インテルはビルドアップ時に、最終ラインの隊形変化を多用。3バックの中央を務めたフランチェスコ・アチェルビがチャルハノールの隣へ上がり、シュクリニアルとバストーニ(左右のセンターバック)が横に開いてパスを受ける場面が多く見られた。

このインテルの隊形変化を受け、ナポリ陣営はジエリンスキを前線に上げ、FWビクター・オシムヘンとのコンビでシュクリニアルとバストーニにプレスをかけようとしたものの、ネッラズーリがGKアンドレ・オナナをビルドアップに参加させたうえ、ジェコとルカクの長身2トップへの中・長距離パスを織り交ぜたことで、ボールの奪いどころを定めきれず。前半1分にオナナのロングパスが早速ルカクに繋がったほか、同3分にも自陣後方からルカクに惜しいパスが供給された。

インテルの隊形変化に惑わされ続けたナポリは、同26分にプレスのかけ始めのタイミングを逸し、シュクリニアルのボール運搬を許す。この隙を逃さなかったシュクリニアルがルカクへ縦パスを送ると、ボールはナポリ陣営のペナルティエリアに到達。最終的にダルミアンがゴールエリアの手前で惜しいシュートを放っている。試合全体を通じ、インテルのビルドアップはナポリにとって脅威となっていた。

緻密な攻守で上位対決を制し、首位ナポリとの勝ち点差“8”の4位に浮上したインテル。今季のスクデット争いを盛り上げる存在となりそうだ。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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