Jリーグ

2022シーズン大躍進の可能性が高い2つのJクラブ

浦和レッズ(左)ファジアーノ岡山(右)写真提供:Gettyimages

2022年が始まり、明治安田生命Jリーグの各クラブからはオンライン会見などを通じた新体制に関する声明が続々と出された。今年は2月18日の多摩川クラシコ(川崎フロンターレ対FC東京)からリーグ戦が始まり、2022FIFAワールドカップ・カタール大会開催時期の関係から11月5日には優勝クラブが決まるというイレギュラーなシーズンになる。

新シーズンはどのような結末を迎えるのか、今からでも胸が躍る一方だ。まだ予想するには時期尚早ではあるが、ここまでの選手獲得状況などから、新シーズンにおいて「大躍進」するのではないかと分析するJクラブを2つご紹介したい。


ファジアーノ岡山のサポーター 写真提供:Gettyimages

ファジアーノ岡山

2022シーズンのJ1昇格にかける想いが他のクラブに比べて強烈だと感じるのがファジアーノ岡山だ。上門知樹やパウリーニョ、井上黎生人といった昨シーズンの主力選手の流出はあったものの、彼らの戦力をカバーする新選手補強ができたと考える。

特にディフェンダーには京都サンガからヨルディ・バイス、栃木SCから柳育崇をそれぞれ完全移籍で獲得し、J2の戦いを熟知した頼もしい2選手を揃えることに成功した。J2屈指の守備力は新シーズンも健在のようだ。また攻撃陣に目を向けると、昨シーズン途中からの加入ながら存在感を発揮したミッチェル・デュークに加えて、ガンバ大阪からチアゴ・アウベスを獲得し、J1でも通用する水準の布陣を構築した印象だ。

一方で懸念点は2つあると考える。1つ目は中盤。特にパウリーニョの穴を埋めきれるかという点は考えなければならない点だろう。清水エスパルスからユーティリティ性に優れた河井陽介を獲得したが、どのようにアレンジしていくのかはシーズン始まってから観察していきたい。

2つ目は新監督として迎えられた木山隆之監督。無論J2クラブを率いた経験もあり実力豊富であることは間違いないが、最後に監督として指揮した2020シーズンのベガルタ仙台ではリーグ戦たった6勝に終わったこともありまだその不安定さを周囲は払拭できていない。J1昇格のためのメソッドをどのように導き出すかに注目したい。


浦和レッズのサポーター 写真提供:Gettyimages

浦和レッズ

新シーズンに向けて着実に体制を整えている優良なクラブの1つに浦和レッズを挙げることには満場一致であろう。昨シーズンの天皇杯では劇的な幕引きで大分トリニータを下し、新シーズンは3年ぶりにACL(AFCチャンピオンズリーグ)への出場を確定させた。他のJクラブよりも参加する大会が1つ多いという点では選手への負担が膨らむというリスクが発生するが、さすがは浦和レッズ。そういった不安を払拭しACLはもちろんのことリーグ戦も優勝を狙える体制を整えてきた印象を抱く。

阿部勇樹、宇賀神友弥、槙野智章など長きに渡り浦和レッズを支えた功労者たちの戦力を失ったものの、戦力ダウンが予想されるポジションには犬飼智也、馬渡和彰、知念哲矢といった選手を獲得。的確な補強をクイックに行えた点は見事だと考える。

また、かつて浦和レッズユースで育ち昨シーズンまで横浜FCの中心選手だった松尾佑介、フォルトゥナ・リガからやってくるダヴィド・モーベルグ、リカルド・ロドリゲス監督の徳島ヴォルティス時代の教え子に当たる岩尾憲も今シーズンから赤いユニフォームを着ることが決まり、蓋を開けてみると戦力はプラスに転じたと分析する。

ここ数年大胆な構造改革を進める浦和レッズだが、こうした大規模な選手の入れ替えを行うクラブに共通する留意点として「連携力の著しい低下」が挙げられる。2018/19シーズンのフラム(当時プレミアリーグ)や2019/20シーズンのアストン・ビラ(プレミアリーグ)はそれに当てはまる。浦和レッズは昨シーズンの立ち上がりは低空飛行だったもの、そこから尻上がりに勝ち続けその過程でチームも成長を遂げた。新シーズンは同じ轍を踏まないように仕上げていきたい。

名前:秕タクオ

国籍:日本
趣味:サッカー、UNO、100均巡り

サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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