日本代表・海外組 日本代表

東京2020男子サッカーを分析予測。優勝候補は?日本に銅メダルの可能性あり?

元オリンピック・マルセイユのフランス代表FWフロリアン・トバン(現ティグレス)写真提供:Gettyimages

グループA、強敵フランスの不安点

フランスにとっては、日本、南アフリカ、メキシコが含まれているグループAの組み合わせは、そこまで厳しいものではない。しかし、オリンピックに出場するフランスU-24代表チームには2つの不安点が見受けられる。

1つは若手選手の国際経験だ。ポテンシャルのある選手が多く揃っているのは確かであり、チームとして噛み合えば素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるだろう。しかし、大きな舞台(CL、ELなど)でスタメンとして活躍している選手がそれほど多くはないということ。

2つ目の不安点は、OA枠選手にある。OA枠の1人は、2020/21シーズン8位のモンペリエに所属しているMFテジ・サバニエ。確かに技術的にクオリティが高く、優れたゲームビジョンで周りの選手を生かせる選手ではあるが、29歳にしてプレーしてきたのはフランスのみで代表経験もほとんどない。また、残りの2枠に選抜されたリーガMX(メキシコ1部)ティグレスに所属しているFW、フロリアン・トバンとアンドレ=ピエール・ジニャックが、本当に戦力になるだろうか。

トバンは酒井宏樹と共にオリンピック・マルセイユでプレーし、2018/19シーズンは16得点でリーグ・アン得点ランキング4位となった。しかし翌シーズンは足首靭帯損傷負によって出場は2戦のみで、今でも負傷前の状態には戻っていない印象を受ける。ジニャックは2015年からメキシコでプレーし多くの得点を挙げているが、メキシコのサッカーレベルは高いとはいえ欧州5大リーグ(プレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アン)には及ばない。トップレベルのサッカーから離れた時間が長すぎると思われる。

そんなフランスの不安点が、つまり日本にチャンスを与えてくれるのではないか…。


ヘタフェ所属の日本代表MF久保建英 写真提供:Gettyimages

グループA突破で、日本銅メダルの可能性?

グループステージを決める抽選会の発表で、日本はかなり厳しいグループの組み合わせになったと思った人がたくさんいるだろう。確かにサッカーリーグの全体的なクオリティやこれまでの代表の歴史を考えると、フランスとメキシコが強敵である。

しかし、日本代表には決勝トーナメント進出の可能性が十分あると感じている。まずはグループA第1戦となる南アフリカ戦がグループステージ突破への鍵となる。サッカーのクオリティの面では日本が有利と思われ、ここで勝利を必ず拾わなければならない。また、前述の通りフランスには不安点があり、3戦白星の結果は考えにくい。グループ1位がメキシコ、グループ2位が日本となることを信じたいものだ。

もちろん油断は禁物だが、決勝トーナメント第1戦(準々決勝)に進むことができれば、日本はグループBを突破したチームと当たる。グループBのニュージーランド、韓国、ホンジュラス、ルーマニアのどこが対戦相手となろうとも、日本が勝てないことはない。準決勝は厳しく敗れたとしても、3位と4位を決める一戦で全力を尽くせば銅メダル獲得の可能性はあるだろう。

多くの制限の中で行われる予定とはいえ、オリンピックは日本で行われることを忘れてはいけない。日本国民の応援が必ず大きな力となるはずだ。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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