サッカー選手エージェントの仕事：若い選手の見極め方【特別インタビュー第3弾】

イタリアのサッカー界で、サッカー選手のエージェント（代理人）として活躍するジャンクリストフ・カタリオッティ氏。 彼は自ら講座を開設したり、6冊ほどの本を出版し、エージェントやクラブのスカウティング担当者を育てている。 サッカー選手エージェントとは具体的にどのような仕事か。 数回に渡りお伝えしてきたカタリオッティ氏のインタビューも今回で最終回をむかえる。 その最終回では、エージェントとスカウトの違いや、若い選手の見極め方について詳しく伺う。聞き手はダビデ・ウッケッドゥ

カタリオッティ氏は自らの講座で生徒と共に勉強する 写真:Jean-Christophe Cataliotti

エージェントとスカウトの違い

ダビデ（以下D）：
若い選手のプレーを見る時は何に注目していますか？

カタリオッティ（以下C）：
まずはエージェントとスカウトの違いを説明する必要があります。選手に目をつけるのはスカウトで、全てのエージェントは必ずスカウトを行うわけではありません。一般的にエージェントはスカウトの専門家に仕事を依頼します。スカウトの専門家はコーチや元選手、さらには単純なサッカーファンであったりします。

D：
スカウトの講座も開いていらっしゃいますね？

C：
そうですね、私の場合は自分が開くスカウトの講座の卒業生に依頼します。もちろんエージェントの仕事もスカウトの仕事も同時にこなす人は多くいます。特にこの道を選んだばかりの人です。しかし選手をスカウトするには経験を重ねないと難しいです。

私もこの仕事を始めた頃はあまり経験がなく、注目していた選手はそこまで良い結果に繋がりませんでした。試合を見るたびに経験を積みました（テレビではなく実際に見ることが大事です）。

D：
スカウトの講座について教えてください。

C：
私がプロのスカウトになることができたのは、自分自身が提供しているスカウトの講座のためです。7年前に講座を開き、数多くのプロを呼び、生徒と一緒に私もスカウトの基本をたくさん学びました。その中でも一番感謝しなくてはならない人は東ヨーロッパのスカウト専門家で、ウディネーゼ、エラス・ヴェローナ、パードヴァ、フロジノーネでスカウト経験を持つパオロ・グレアッティです。