著者:マリオ・カワタ
ハンブルガーのヤン=フィーテ・アルプは2017年9月30日、ベルダー・ブレーメンとのノルト・ダービーの終盤に途中出場したことでブンデスリーガの歴史にその名前を残した。ホームの観衆の前でプレーしたのはわずか数分間だったが、ブンデスリーガに出場した2000年代生まれの初めての選手となったのだ。しかしこの試合は、17歳のストライカーが国内のサッカーファンから注目を集めた最初の機会のひとつに過ぎなかった。
ハンブルク近郊の小さな町で生まれたアルプは、10歳の時に自然と地域で最も大きなクラブであるハンブルガーに入団した。クラブのアカデミーですぐにゴールを量産し頭角を現した若き才能に、ドイツサッカー連盟が注目するまでに時間は掛らなかった。U-15、U-16ドイツ代表に招集されたあと、2017年5月に開催されたUEFA U-17欧州選手権ではキャプテンとして母国を代表することになった。
そしてこの大会のパフォーマンスによって、アルプの名はヨーロッパ中から注目を集める。初戦でボスニア・ヘルツェゴビナを相手にハットトリックを記録し5-0の勝利に貢献すると、その6日後にはアイルランドを相手に再び3得点を決め、さらに準々決勝のオランダ戦でも決勝点を決めてみせたのだ。チームは準決勝でスペインにPK戦で敗れ決勝進出を逃したが、アルプは得点ランキング2位で大会を終えた。
その5ヶ月後、ドイツの若きゴールマシンはインドで開催されたFIFA U-17ワールドカップでも、彼が世代最高のタレントの一人であることを改めて証明する。グループステージで2得点を決めたアルプは、コロンビア相手にも2ゴールを決めて対象に貢献。ドイツはブラジルを相手に前半のリードを守れず準々決勝で敗退することとなったが、それでも大会通算得点を5まで伸ばした。彼が既に世代を超えてプレーする準備ができていることは、明らかだった。
U-17ワールドカップ敗退から一週間も経過しないうちに、アルプはブンデスリーガでインパクトを残す。2点ビハインドのハルタ・ベルリン戦の56分、マルクス・ギズドル監督にピッチに送り出されると、その17分後にペナルティエリア内で素早いボレーシュートを放った。GKが見送るしかなかったボールはポストに当ってゴールネットに収り、17歳のストライカーにとっては記念すべきプロ初ゴールとなった。
その一週間、アルプは初めてハンブルガーの先発メンバーに名を連ねた。そしてホームの観衆の前で、彼は再び高い期待に応えるパフォーマンスを見せる。後半にペナルティエリアすぐ外でゴールを背にした状態でボールを受けると、巧みなターンとボール扱いで相手選手を交わし、17歳とは思えない落ち着きでシュートを流し込んで2試合連続となるゴールを決めた。
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