Jリーグ

J1全クラブ監督の通信簿&続投可能性

小菊昭雄監督 写真:Getty Images

セレッソ大阪:小菊昭雄監督

評価:★★☆☆☆/続投可能性:0%

10月の段階で今季限りでの退任が発表されたセレッソ大阪の小菊昭雄監督。愛知学院大を卒業し、1998年にアルバイト契約で下部組織コーチとして指導者キャリアをスタートさせ、2021年8月にレヴィー・クルピ前監督の解任に伴い監督に就任した。4シーズンに渡りC大阪を指揮し、ルヴァン杯では2021年と2022年と2年連続で準Vに導いた。

今季はクラブ創設30周年という節目のシーズンでJ1初優勝を目指していたが、35節終了時点で8位と優勝には手が届かず、無冠に終わった。ちなみに小菊監督は来季J2を戦うサガン鳥栖の新監督に就任することが内定している。

C大阪の次期監督には、パリ五輪でU-23日本代表を率いた大岩剛監督の就任が決定的と報じられていたが、日本サッカー協会がロサンゼルス五輪を戦うU-23日本代表監督の続投をオファー。大岩監督もこれに応える形となった。

今後、もう1人の候補で、9月に豪州代表監督を辞任したグラハム・アーノルド監督を軸に進められると思われるが、1997~1998年までサンフレッチェ広島でプレーし、2014年には2か月で解任されたもののベガルタ仙台を指揮した知日派とあって、“大化け”する可能性も秘めている。


吉田孝行監督 写真:Getty Images

ヴィッセル神戸:吉田孝行監督

評価:★★★★★/続投可能性:90%

ヴィッセル神戸で過去2回「監督代行」を務め、3度目の監督就任も、2022シーズン途中に解任されたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の後任としての就任だった吉田孝行監督。

2023年は開幕から指揮。「競争と共存」をテーマに置き、MFアンドレス・イニエスタ(2018-2023)を控えに回し、FW大迫勇也とFW武藤嘉紀の得点力を最大に発揮すべくハイプレスからのショートカウンターを軸としたサッカーに舵を切り、クラブ初のJ1優勝に導いた。

今季も開幕から上位をキープし、11月1日の第35節磐田戦(ノエビアスタジアム神戸/2-0)の勝利で遂に首位に立つ。35節終了時点で、2位のサンフレッチェ広島との勝ち点差は「2」と、デッドヒートを繰り広げているが、吉田監督の続投は既定路線だろう。


ミヒャエル・スキッベ監督 写真:Getty Images

サンフレッチェ広島:ミヒャエル・スキッベ監督

評価:★★★★★/続投可能性:90%

2022シーズンからサンフレッチェ広島の指揮を執り、就任初年度からルヴァン杯を制し、2年連続でJ1リーグ3位となりACL出場権(今季はACL2)を獲得したミヒャエル・スキッベ監督。そして今季は35節終了時点で、首位のヴィッセル神戸に肉薄する2位に位置している。

続投どころか長期政権も視野に入る辣腕ぶりで、一度はJ2降格も経験したミハイロ・ペトロヴィッチ元監督の6シーズン超えも夢ではないだろう。退任があるとすれば、欧州や中東クラブからの巨額オファーか、次期日本代表監督に就任する場合に限られるのではないだろうか。


アビスパ福岡 長谷部茂利監督 写真:Getty Images

アビスパ福岡:長谷部茂利監督

評価:★★★★☆/続投可能性:0%

2020シーズンにアビスパ福岡の監督に就任し、クラブ初のタイトル(2023年ルヴァン杯)をもたらし、クラブ最長の4年間に渡り指揮を執った長谷部茂利監督。早々にJ1残留を決めた一方で、10月31日に今季限りでの退任が発表され、早くも水面下では争奪戦が繰り広げられている。

そんな中、次期監督として報じられたのは、町田ゼルビアでヘッドコーチを務めている、元サガン鳥栖監督(2018、2019-2021)の金明輝氏。この報道は賛否両論を呼んだ。指導力には定評があるものの、鳥栖監督時代の2021年のパワハラ事件を引き合いに出し、反対の声が上がっているのだ。特に、最大のサポーターグループ「ウルトラオブリ」が公式Xで反対声明を出すなど異例の反応を見せ、この意見に賛同する声も多く寄せられている。

地理的にライバルでもある鳥栖にいたことも関係しているだろうが、紳士然とした長谷部監督から、ユース選手にまで暴力を振るっていた“暴君”が監督に就任することへのアレルギーが表面化しているのが現状だ。このまま金氏の監督就任を強行すれば、さらなる反発を招くのは必至だ。フロントは今、難しい選択に迫られている。


木谷公亮監督 写真:Getty Images

サガン鳥栖:木谷公亮監督

評価:★☆☆☆☆/続投可能性:0%

今季最速でJ2降格が決まってしまったサガン鳥栖。3シーズン目に突入した川井健太監督は攻撃的サッカーを志向したが、J1最低の64失点(35節終了時点)に苦しみ、中盤からは降格圏に沈み解任。後任にはテクニカルダイレクターを務めていた木谷公亮監督が就任したが、降格回避はならなかった。

しかし、降格決定直後のホーム(駅前不動産スタジアム)での町田ゼルビア戦(11月3日2-1)では意地を見せ、13試合ぶりの勝利を挙げただけではなく、これが木谷監督体制初勝利だった。

次期監督には、前セレッソ大阪の小菊昭雄監督の就任が内定している。J2に降格することで大幅な戦力減が予想されるが、アルバイトから叩き上げでC大阪の監督にまで上り詰めた小菊監督の腕の見せ所でもある。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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