アビスパ福岡は10月31日、長谷部茂利監督が今季限りで退任すると公式発表。町田ゼルビア・黒田剛監督の右腕である金明輝コーチを招へいする可能性が報じられているが、サガン鳥栖時代のパワーハラスメント行為認定もあり、反対意見が相次いでいる。そんななか、福岡のサポーター団体『ULTRA OBRI』(ウルトラオブリ)が5日に声明を発表した。
金氏は2020年まで鳥栖の下部組織やトップチームを率いていたが、監督退任後に鳥栖下部組織でのパワハラ行為が認定。日本サッカー協会(JFA)の定める規則に違反したとして、指導者ライセンスでS級からA級への降格処分、JFAの定める研修、社会奉仕活動を科されている。
しばらくJリーグクラブの現場から遠ざかっていた金氏だが、2022年11月に町田のヘッドコーチに就任すると、2023シーズンに黒田監督とともにチームをJ1昇格・J2優勝へ導く。そして今季はクラブ史上初のJ1挑戦ながらも、第35節を終えて3位と、ヴィッセル神戸やサンフレッチェ広島と優勝争いを繰り広げている。
そんな金氏の去就を巡っては、J1第35節・鳥栖対町田の試合後に福岡監督就任の可能性を一部の日本メディアが報道。ネット上では町田での実績、黒田監督の参謀役としての仕事ぶりを高く評価する声が挙がる一方、鳥栖時代のパワハラ行為を理由に、指導者としての資質を問う声や招聘反対の意見も相次いでいる。
議論が白熱する中、ウルトラオブリは「後任監督人事の報道について」と題して、公式Xアカウントで以下のように綴っている。
「一部マスメディアにて報道されておりますアビスパ福岡の後任監督候補につきまして、我々ウルトラオブリはクラブに対して慎重な判断を求めます」
「前提として、我々はこれからもクラブを支えるという想いが揺らぐ事はありません。それはアビスパ福岡は我々の人生の一部であり、我々の生活において無くてはならない唯一無二の存在だからです」
「ただ、現在報道されている監督人事に対しては疑問を抱かざるをえません。アビスパ福岡のスローガンは『感動と勝ちにこだわる』であり、基本理念には『子ども達に夢と感動を地域に誇りと活力を』といった文言があります」
「これからもクラブの根幹である理念を大事にし、アビスパ福岡を応援する全てのステークホルダーが胸を張って後押しができるクラブであって欲しいと切に願っています」
町田のスタイルを巡っては、ロングスローにおけるタオルの使用や、パリ五輪U23日本代表FW藤尾翔太によるPK直前の水かけ行為が話題に。ネット上では「試合を見ている子供たちにとって良くない」といった否定的な意見も相次いでいる。こうした背景もあり、オルトラオブリは金氏の招聘が「子ども達に夢と感動を地域に誇りと活力を」という基本理念に反すると考えているかもしれない。
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