Jリーグ

熾烈なJ1残留争いから、104分のGK得点劇まで。話題豊富だった第33節を振り返る

J1リーグは24日に第33節が行われたが、クライマックスに向けて数多くの出来事が起こっている。そこで今回は残留争い、来季AFCチャンピオンズリーグ出場権争いなど、今節で確定した事項や話題について振り返る。


J2自動降格2クラブが確定

16位:名古屋グランパス(40)
17位:柏レイソル(36)
18位:V・ファーレン長崎(29)

前節終了時点での17位以下が確定していたV・ファーレン長崎は、先週末に行われたJ2リーグ最終節にてJ1ライセンスを付与されていない町田ゼルビアがドローに終わり、シーズンを4位で終えたため、完全にJ1残留の望みが断たれている。
そして今季2度の監督交代を行い、勝ち点33の17位に沈んでいた柏レイソルは岩瀬健暫定監督のもとで臨んだ初戦の対セレッソ大阪戦で3ゴールによる快勝劇を飾ったものの、勝ち点37で並んでいた3クラブ(湘南ベルマーレ、サガン鳥栖、名古屋グランパス)がそろって勝利したため降格が決定。岩瀬監督にとっては就任初戦での降格という苦杯をなめた形となっている。サポーターからは選手や監督ではなくクラブ首脳陣に対して責任説明を強く求める声が続々と上がっているが、ホームでの最終節ではスタジアムがどのような雰囲気に包まれることになるのだろうか。


依然として続く熾烈なJ1残留争い

12位:横浜F・マリノス(41)
13位:ジュビロ磐田(41)
14位:湘南ベルマーレ(40)
15位:サガン鳥栖(40)
16位:名古屋グランパス(40)

J2リーグへの自動降格2クラブは確定したものの、J1参入プレーオフに回る1クラブの決定は最終節に持ち越されている。現在16位でシーズンを終える可能性が残っているのは上記の5位であり、このうち湘南ベルマーレと名古屋グランパスが最終節で直接対決を行う。直接対決が控えていることにより、残留を確定させるために必要な勝ち点は多くとも「42」となる。
最終節でジュビロ磐田、横浜F・マリノスは引き分け以上で残留が確定する。そして名古屋グランパスと湘南ベルマーレは直接対決で勝利すれば残留確定。引き分け以下の場合は他会場の試合結果次第となる。この最終節でJ1王者の川崎フロンターレと対戦するジュビロ磐田、そしてアジア王者の鹿島アントラーズと対戦するサガン鳥栖はやや不利な状況となっている。


リーグ戦における「2枠」をかけた来季ACL出場権争い

2位:サンフレッチェ広島(56)
3位:鹿島アントラーズ(55)
4位:北海道コンサドーレ札幌(54)

残留争いも混とんとする中、来季AFCチャンピオンズリーグ出場権をかけた争いからも目が離せない。これまでJリーグファンの間で「エレベータークラブ」というイメージが定着しており、今季も最悪の場合残留争いの可能性もあった北海道コンサドーレ札幌がミハイロ・ペトロビッチ監督の采配などが功を奏し、クラブ創設以来初となるAFCチャンピオンズリーグ出場へ王手をかけている。さらにコンサドーレは最終節ではホームでサンフレッチェ広島を迎え撃つ。この出場権をかけた大一番ではまさに勝利した方が出場権を手に入れるという非常に明快な構図となっている。
一方、鹿島アントラーズは天皇杯でも準決勝まで勝ち上がっているため、同タイトル獲得でのAFCチャンピオンズリーグ出場を決める可能性も残している。ただそれでも最終節が残留争いの真っ只中にいるサガン鳥栖との対戦であるだけに、ここは3ポイントを積み重ねてリーグ戦枠で先に出場権を確保したいところだ。


海外メディアも注目した話題満載の一戦

残留争い、来季AFCチャンピオンズリーグ出場権争いの行方に注目が集まる中、清水エスパルス対ヴィッセル神戸は互いに球際の激しいプレーが目立ち、序盤から荒れ模様となる。2-3で迎えた後半アディショナルタイムは4分与えられたものの、複数選手の負傷退場により10分台に突入。ヴィッセル神戸ベンチが試合終了を主張する中で迎えた90+14分、左サイドからのCKにエスパルスのGK六反勇治が頭で合わせると、これがネットを揺らし劇的な形で同点に追いついた。
しかし直後にヴィッセル神戸のFWウェリントンのプレーを巡り両チームの選手やクラブスタッフが一触即発の状態になると、同選手がレッドカードを提示された直後に六反を投げ飛ばす暴挙に出た。
後半のアディショナルタイムの10分台突入、ゴールキーパーによる得点、そして乱闘騒ぎと話題が多い試合となり、周囲からは様々な議論・意見が巻き起こっている。