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知れば知るほど面白い。マンU、バイエルン、PSG…サッカークラブのエンブレム誕生の秘密【後編】

前回、欧州クラブのエンブレムを紹介しクラブの歴史や背景について知っていただけたことだろう。今回はご紹介しきれなかったプレミアリーグ、ブンデスリーガ、リーグ・アンのクラブのエンブレムを紹介する。

前編はこちらから


マンチェスター・ユナイテッド

クラブ設立年:1878年

エンブレムにはかつて市の紋章を用いていたが、一目見てマンチェスター・ユナイテッドだということがわかるようにアレンジされた。その結果、チームの愛称の「Red Devils(赤い悪魔)」が中心に配置され、その上部には交易都市だったことに由来する帆船が描かれている。そして左右にはサッカーボールを置き、全体をチーム名である「マンチェスター・ユナイテッド」で覆っている。


マンチェスター・シティ

クラブ設立年:1880年

昨年夏からエンブレムを刷新したマンチェスター・シティ。以前のデザインとは異なり、1997年以前の丸型のエンブレムに戻った形となった。1972年から1997年まで使用されていたエンブレムをベースとしており、交易都市であったことに由来する帆船とマンチェスターの紋章の起源である赤いバラを配置。赤いバラの裏に描かれている3本線はマンチェスター市を流れる3本の川を表している。


チェルシー

クラブ設立年:1905年

チェルシーはクラブ設立当初、年老いた軍人が描かれたエンブレムを使用していた。しかし、1953年に現在の愛称である「The Blues(ブルーズ)」のイメージを定着させるべくエンブレムを変更し、現在のエンブレムのモチーフとなっているライオンが登場。これ以降ライオンが使用されるが、1986年から使用されていたものは座っているものであった。2005年にクラブ創設100周年を記念して1950年代の立っているライオンのデザインを復活させ、現在に至る。


リバプール

クラブ設立年:1892年

リバプールのエンブレムの中心には、不死鳥のような鳥が描かれている。この鳥は市の名前の由来にもなっている「ライバーバード」であり、市の紋章にも使用されている。また、このライバーバードがくちばしに咥えているものはアマノリという海藻だと言われている。エンブレムの上部には本拠地アンフィールドのシャンクリー門が配置されており、クラブの応援歌のタイトルである「You’ll Never Walk Alone」が記されている。また、下部のリボンには1892年設立を意味する「EST.1982」が書かれている。


アーセナル

クラブ設立年:1886年

チーム名にもなっている「Arsenal」は英語で「兵器工場」という意味があり、王室兵器工場のチームをルーツに持っているために大砲がシンボルとなっている。これまでにも大砲はエンブレムに取り入れられていたが、現在のエンブレムが作成される際に目立つように大きくした。また、大砲の向きも何度か変わっており、現在は右向きになっている。


トッテナム・ホットスパー

クラブ設立年:1882年

ボールの上に乗っている雄鳥は、1901年のFAカップ決勝から一貫して使用されている。雄鳥が使用され続けている理由は、チーム名の由来にもなっている「ホットスパー(荒れくれ者)」に雄鳥の勇敢さがふさわしいと考えられたからであるという。2006年のエンブレム変更の際に、クラブ名を強調して現在のデザインに至る。


エバートン

クラブ設立年:1878年

エンブレムのデザイン自体は、元々1938年に当時の事務局長であり、後に戦後初めて監督に就任したテオー・ケリー氏がネクタイの柄として提案したものである。1938/1939シーズンに優勝したことをきっかけに縁起がいいということでクラブのロゴになった。中心にある建物は1787年に建てられた町のシンボルでもあるプリンス・ルパーツ・タワーである。また、勝利の象徴として2つの月桂樹を塔の左右に配置している。下部にはラテン語で「最善を尽くせば道が開ける」と書かれている。


レスター・シティ

クラブ設立年:1884年

エンブレムの中心にはチームの愛称「The Foxes(フォクシーズ)」にもなっているキツネが大きく描かれている。キツネは頭のよい動物とされており、イングランドを象徴するバラの花の上に描かれている。キツネ以外は青色で全て描かれており、また絵の周りにはクラブ名である「Leicester City Football Club」と書いてある。


ウェストハム・ユナイテッド

クラブ設立年:1895年

エンブレムの中心に大きく描かれている城は、16世紀のイングランド王ヘンリー8世の王妃でエリザベス1世の生母のアン・ブーリンの居館だったと伝えられているグリーン・ストリート・ハウスの跡地をホームにしたことを表している。その城の前でクロスしている2本のハンマーはテムズ鉄鋼造船所の労働者によって結成されたことを表しており、チームの愛称である「The Hammers(ハマーズ)」の由来にもなっている。


ストーク・シティ

クラブ設立年:1863年

創立が1863年とイングランドで2番目に古いクラブとされているストークシティ。その由緒あるクラブのエンブレムには、ストーク市が投機の産地であることに由来し「The Potters(ポッターズ)」と下部に書かれている。また、上部にはチーム名である「Stoke City」と書かれており、赤色と白色のストライプはストーク市の色に由来している。


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名前:菊池大将
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幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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