セリエA ミラン

クラブOBから実力者まで。アッレグリ、インザーギ…低迷するミランを率いた指揮官7選

低迷するミランを率いた監督7選

今シーズン、ヨーロッパリーグでは好調を維持していたものの、リーグ戦で思うような結果を残せていなかったビンツェンツォ・モンテッラ氏の解任を27日に発表したミラン。2010/2011シーズン以降、リーグ優勝から遠ざかり、低迷を続けている名門の復活はいつになるだろうか。今回は低迷期を支えてきた歴代監督をご紹介する。

マッシミリアーノ・アッレグリ

就任期間:2009年6月25日~2014年1月13日

現所属:ユベントス

2009/2010シーズンからミランを率いたアッレグリ氏。初シーズンこそ3位に終わったものの、2010/2011シーズンにはイブラヒモビッチ、ロビーニョ、パトがそれぞれ14ゴールを記録するなどリーグ優勝を達成。続く2シーズンも2位、3位とタイトル争いを演じたが、2013/2014シーズンは前半戦終了時点で11位と不振にあえいだ。シーズン終了後の退任が決定していたが、ベルルスコーニ会長の意向などもあり、シーズン途中の2014年1月13日にクラブから公式に解任の発表がされた。アシスタントコーチを務めていたマウロ・タソッティ氏がチームを引き継ぎ、その後セードルフ氏がシーズン終了までチームを率いた。最終順位は8位となり欧州カップ戦の出場権を逃し、近年長らく続いたミラン不在のCL、ELの初年度となった。

クラレンス・セードルフ

就任期間:2014年1月16日~2014年6月9日
現所属:フリー
アッレグリ前監督の退任を受け2013/2014シーズン途中にミラン監督へと就任したセードルフ氏。クラブOBとしてチームの立て直しを期待されたが思うような結果を残せず、このシーズンを8位で終えている。ELの出場権を獲得できなかったことから、6月9日に解任され、後任は再びOBのフィリッポ・インザーギ氏が抜擢された。

フィリッポ・インザーギ

就任期間:2014年6月9日~2015年6月16日

現所属:ベネツィア

セードルフ氏の解任を受けてミランのU-19チームを率いていたインザーギ氏がトップチームの監督に昇格する形で就任した。前年度の8位からのジャンプアップが期待されていたが、終わってみれば10位と2年連続で欧州カップ戦の出場権を逃す結果となった。シーズン終了後には解任が発表され、後任には豊富な経験を持つシニシャ・ミハイロビッチ氏が抜擢された。インザーギ氏は今年1月にイタリア国営放送『RAI』の番組に出演。「監督の仕事に口出ししない会長のほうが仕事がしやすい」と恨み節を述べていた。ベルルスコーニ氏の現場介入ぶりがよくわかるエピソードだろう。

シニシャ・ミハイロビッチ

就任期間:2015年6月16日~2016年4月12日

現所属:トリノ

サンプドリアの監督を退任し、フリーとなっていたミハイロビッチ氏が2015年6月16日より、ミランの監督に就任した。しかし、2015/2016シーズンは序盤から不調が続き、1度は復調の兆しを見せたものの3月下旬からは勝利に見放された。4月9日に行われたユヴェントス戦に敗れたことでベルルスコーニ会長が解任を決断。下部組織を率いていたブロッキ氏が後を継いだ。このシーズンはリーグ戦7位と再び欧州カップ戦の出場権を逃すことにはなったが、コッパ・イタリアでは準優勝を勝ち取っている。

クリスティアン・ブロッキ

就任期間:2016年4月13日~2016年6月30日

現所属:江蘇蘇寧(アシスタントコーチ)

ミハイロビッチ氏のシーズン途中での解任を受け下部組織の監督からトップチームの監督へとステップアップを果たしたブロッキ氏。しかし、就任後6試合で勝ち点8と結果を残すことはできなかった。同氏はベルルスコーニ会長に契約の解除を要求。イタリア2部ブレシアとの契約に合意した。当初はシーズン途中でのスピード解任も噂されたが、2016年6月30日までの契約を全うした。ユヴェントスとのコッパイタリア決勝にも敗れ準優勝となっている。ブロッキ氏の後を継いで就任したのは、フィオレンティーナを率いて名を挙げたモンテッラ氏となった。

ビンツェンツォ・モンテッラ氏

就任期間:2016年7月1日~2017年11月27日

現所属:フリー

ブロッキ氏の後を継いでミランの監督に就任したモンテッラ氏。低迷していたフィオレンティーナを率いて3年連続の4位に導くなど、結果を残してきただけに期待も大きかった。モンテッラ氏は就任1年目に18勝9分11敗で6位の成績を残した。終盤にインテルとのミラノダービーに競り勝つなど、勝負強さも見せていた。4位のラツィオがコッパ・イタリアを優勝したことにより、EL出場権の枠が1つ空き、2012/2013シーズンぶりに欧州カップ戦の出場権を確保した。就任2年目となった今シーズンはベルルスコーニ会長が中華資本にクラブを売却するなど激動のスタートとなった。資金を手に入れたミランは積極的に補強を行い200億円以上を選手獲得に投資した。しかし、その分結果を出せなかった際のバッシングはすさまじいものでもあった。ボヌッチなどの加入で上位争い、CL出場権の確保を目標としていたが、14節を終え勝ち点20の7位。首位ナポリとは勝ち点18差をつけられるなど上位争いからは脱落。26日に行われたトリノ戦に引き分けたあと、解任が発表された。

ジェンナーロ・ガットゥーゾ

就任期間:2017年11月28日~

現所属:ミラン

モンテッラ氏の後任に選ばれたのは暫定ではあるが、下部組織の監督を務めていたガットゥーゾ氏だった。現役時代のプレーから、監督の姿は想像もできないがシオン、パレルモ、クレタ、ピサと着実に監督としてのキャリアを形成している。自身も「闘犬としてのガットゥーゾだけだとは考えないでほしい」と意気込みを語っている。暫定監督として結果を残し、契約延長を勝ち取ることはできるのだろうか。

名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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