2023/24シーズンのセリエA第4節が9月16日(日本時間)に行われ、ユベントスがラツィオに3-1で勝利した。
昨2022/23シーズンよりも前線からの守備が整備され、今節も強豪ラツィオを粉砕したユベントス。GKや最終ラインからのパス回しに定評があるラツィオを、いかに凌駕したのか。ここでは同試合を振り返るとともに、ユベントスの守備戦術を中心に解説する。
先制点に繋がったマンツーマン守備
中盤横一列の[3-5-2]の布陣で臨んだユベントスは、キックオフ直後からハイプレスを仕掛ける。基本布陣[4-1-2-3]のラツィオのサイドバック、エルセイド・ヒサイとアダム・マルシッチの両DFへのパスを誘い、この近辺でボールを奪おうとする意図が窺えた。
前半10分のユベントスの先制ゴールは、ラツィオのゴールキックからのパス回しを封じたことで生まれたもの。この場面ではユベントスの2トップ、ドゥシャン・ブラホビッチとフェデリコ・キエーザの両FWがラツィオの2センターバック(ニコロ・カザーレとアレッシオ・ロマニョーリの両DF)に睨みをきかせていた。
これと同時にユベントスのファビオ・ミレッティ、マヌエル・ロカテッリ、アドリアン・ラビオの3MFも、ラツィオの3MF(ダニーロ・カタルディ、ルイス・アルベルト、鎌田大地)を捕捉。GKイバン・プロベデルからの縦パスに反応したラツィオのMFマッティア・ザッカーニ、センターサークル付近でボールを捌こうとしたFWチーロ・インモービレにも、ユベントスのフェデリコ・ガッティとグレイソン・ブレーメルの両DFが張り付いた。
ブレーメルのボール奪取を起点に右サイドから攻撃を仕掛けたユベントスは、ロカテッリのクロスをブラホビッチが物にしたことで、幸先よく先制している。ラツィオの選手たちをマンツーマン守備で抑えきった、ユベントスの作戦勝ちと言えるワンシーンだった。
先制したユベントスは、その後もマンツーマン守備を緩めず。ラツィオのパスワークを封じて試合の主導権を握ると、前半26分にロカテッリが右サイドのMFウェストン・マッケニー(ウイングバック)へ正確なロングパスを供給。その後のマッケニーを起点とするパスワークを、敵陣ペナルティエリア左隅で待ち構えていたキエーザが自身の左足シュートで結実させ、ビアンコ・ネロ(白と黒)に追加点をもたらした。
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