
2025シーズンのJリーグYBCルヴァンカップが3月20日に開幕を迎える。昨年は2021年の王者である名古屋グランパスと初のタイトル獲得を目指すアルビレックス新潟が決勝で激突。120分で決着がつかず、PK戦の末名古屋が激闘を制して2度目の優勝を果たした。
今季は、FIFAクラブワールドカップ2025に出場する浦和レッズ、AFCチャンピオンズエリート2024/25に出場のヴィッセル神戸、川崎フロンターレ、横浜F・マリノスおよびAFCチャンピオンズリーグ2に出場のサンフレッチェ広島の5クラブを除く計55チームを7つのグループに分け、ノックアウト方式で勝ち上がったチームがプレーオフラウンドへ進出するレギュレーション。1試合限りで勝敗が決まる緊張感も魅力の大会だ。実際に昨年も下位カテゴリーのチームが上位カテゴリーのチームを破る、いわゆる”下剋上”が複数発生している。特にJ1王者のヴィッセル神戸を下してプレーオフステージに駒を進めたカターレ富山の躍進が印象的だった。
もちろん今季も、各グループで初戦から目が離せない戦いが繰り広げられるだろう。また、カップ戦ではリーグ戦で出場時間あるいは出場機会の少ない選手が起用されることが多く、選手層の厚さや戦術の浸透度合いも注目すべきポイントと言えよう。ここでは、各グループごとにプレーオフラウンドへ進むチームの予想も交えて展望する。

グループ1:堅守が売りのチームが揃う
- 町田ゼルビア(J1)
- 藤枝MYFC(J2)
- ヴァンフォーレ甲府(J2)
- 横浜FC(J1)
- FC岐阜(J3)
- ファジアーノ岡山(J1)
- ギラヴァンツ北九州(J3)
唯一7チームで争われるグループの本命は昨季J1リーグ初挑戦ながらも3位でシーズンを終えた町田ゼルビア。そんな町田に今季のJ1昇格組である横浜FCとファジアーノ岡山が挑む形が予想される。
選手層を見ても町田の優位は明らか。FWエリキの移籍はあったが、各ポジションに他クラブであればJ1でもスタメンを務められる選手が多くいる。一方で横浜FCと岡山もリーグ戦のベンチメンバーには頼りになるベテラン選手も複数おり、彼らがカップ戦で主軸を担うのであれば十分に対抗できる力は有していると言えよう。J2およびJ3の各クラブにとっては難しいグループだが、いずれも近年J1へ昇格したクラブが相手であることから付け入る隙もありそうだ。

グループ2:昨季早々に敗退の名門3クラブに注目
- ガンバ大阪(J1)
- 高知ユナイテッド(J3)
- ロアッソ熊本(J2)
- 水戸ホーリーホック(J2)
- 清水エスパルス(J1)
- SC相模原(J3)
- ジュビロ磐田(J2)
- FC大阪(J3)
ガンバ大阪、清水エスパルス、ジュビロ磐田と過去の優勝チームが並ぶグループ。ただし、いずれも昨年は下位カテゴリーのクラブに敗れており、まずは初戦を突破できるかが1つの見どころだ。そして2回戦では今季リーグ戦では見られない”静岡ダービー(清水VS磐田)”の可能性があることも忘れてはならない。
戦力を見るとG大阪が最有力候補。MF名和田我空やFW南野遥海など若手にも力のある選手が揃っており、リーグ戦での主力を休ませたとしても相手にとって脅威を与える戦力を有している。とはいえ、若手という意味では清水も同様に有望株が複数在籍。また、磐田もJ2勢の中では圧倒的な戦力を誇るチームであり力はある。いずれにせよ、初戦で大番狂わせがなければ3チームのうちのいずれかが勝ち進むグループと見ていいだろう。

グループ3:本命はJ1の2クラブ
- 鹿島アントラーズ(J1)
- 栃木シティ(J3)
- レノファ山口(J2)
- 大分トリニータ(J2)
- 柏レイソル(J1)
- アスルクラロ沼津(J3)
- 北海道コンサドーレ札幌(J2)
- 福島ユナイテッド(J3)
J1クラブの2強と言えるグループ。昨年はプレーオフラウンド出場を逃した鹿島アントラーズだが、この冬守備陣の選手層を厚くし下部組織から有望株も多く加えたことでリーグ戦と並行して戦える戦力を整えた。また、柏レイソルも今冬絶対的な要であったMFマテウス・サヴィオこそ失ったが、その分複数の即戦力を迎えたことでリーグ戦では快調な滑り出しを見せており、昨年よりも寧ろチーム状況を好転させている。
対抗馬としては北海道コンサドーレ札幌だが、1年での昇格を目指しながらもJ2で苦戦しておりカップ戦に集中できる状況にはとてもない。それだけに、概ね鹿島と柏のいずれかの突破が濃厚だ。カギとなるのは直接対決となった場合にリーグ戦での主力をどこまで投入してくるかだが、戦力の充実度合いで見ると鹿島がやや有利と言えるのではないだろうか。
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