セリエA インテル

DR.TRIBE【試合診断書】セリエA第15節 ユベントス対インテル

大会:セリエA
カード:ユベントスvsインテル
スコア:1-0
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):マリオ・マンジュキッチ

チームに勝ち点3をもたらす貴重な決勝ゴールを記録。クロスを決め切る能力は流石の一言。また、90分を通してチームのために走り続け、危険な場面ではインテルの攻撃をしっかりと潰した。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ブレーズ・マテュイディ

失点につながりかねないミスがあったが、試合を通して豊富な運動量でチームに貢献。彼のボール奪取で免れたピンチやカウンターに繋がる場面は非常に多かった。攻撃面でもSBとCBの間のスペースを効果的につくことで、良いアクセントになった。

モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP):ロベルト・ガリアルディーニ

決定機を外してしまったことに尽きる。1つのプレーで1人の選手を攻めるのは酷だが、サポーターや関係者が決まっていればと思うのは仕方がないだろう。また、ケイタ・バルデ・ディアオも途中出場ながらほとんど何もできなかった。チームメイトにサポートが必要な場面ではパスを受けに降りるタイミングが大幅に遅れ、チームメイトに「ケイター!」と大声で怒鳴られている場面は印象的だった。


ユベントスの攻撃対インテルの守備

ロングボールとショートパスを織り交ぜながら攻撃を組み立てたユベントス。対するインテルはサイドにビルドアップを誘導するプレスをかけて、中盤でボールをさらうという狙いから決定機を作ることに成功。ただ、ユベントスもジョアン・カンセロの個人技やロングボールを織り交ぜることで徐々に克服した。

4-4-2や4-3-2-1など非常に質の高い守備ブロックを敷くインテルに対して、ユベントスは2ライン間に複数人の選手を配置。出し手と受け手がリターンのパス交換をすることでブロックの選手を引き付け、出し手に時間とパスコースを提供。そこからの展開で攻撃を行った。ただ、インテルもしっかりとサイドの選手が絞り切り、失点は免れている。

後半は高い位置からプレスをテンション高くかけたインテル。ユベントスはひし形を作りながらパスを回し、インテルの選手を食いつかせてサイドなどに展開。インテルは58分のボルハ・バレロの投入により、狭いスペースでのプレスの質が上がりインターセプトの回数は増えたが、ユベントスもロングボールなどで打開。66分にそのロングボールからカンセロがサイドで抜け出し先制点を奪った。インテルは後ろの列から飛び出してくるカンセロに付ききることができなかった。また、C・ロナウドを見ていたミラン・シュクリニアルが1人だけラインを押し下げてしまったことも悔やまれる。

先制以降はピッチを広範囲にカバーできる選手がいなくなったインテルをパスを回して動かしながら、積極的な姿勢で試合を終わらせた。正当なプレーでカバーしきれなくなったインテルは格段にファウルが増えている。


インテルの攻撃vsユベントスの守備

つなぐ意識をもって、マルセル・ブロゾビッチを起点に攻撃を組み立てたインテル。ただ、決定機はカウンターから生まれたものがほとんどだ。前述したプレスの形からサイドに展開。マウロ・イカルディがユベントスの最終ラインを押し下げながらボールを受け、スペースでロベルト・ガリアルディーニが引き受けた攻撃の形はユベントスを脅かした。

ユベントスはカウンターにせよサイド攻撃からのクロスにせよ最後の局面はしっかりと中央を閉めて対応。インテルはWGが中に絞ってSBが幅を取り、クロスなどを挙げたがはじき返され続けた。ただ、インテルは際どい局面でうまくファウルをもらうなどして、ユベントスに流れを渡しきらなかった。

後半は高い位置からのプレスがハマり、決定機につながる守備を見せたユベントス。インテルはボルハ・バレロの投入により、狭いスペースでボールを受けられるようになるまで苦しんだ。バレロの投入以降はジョアン・マリオがバレロとポジションを入れ替えながら比較的近い位置でプレーすることでユベントスの守備陣に混乱を与えることに成功。サイドにスペースが生まれ、シメ・ブルサリコが完全にフリーでクロスを上げるなど、ゴールの匂いを感じさせるプレーを見せた。

ただ、得点後のユベントスはプレスの強度を緩めず、インテルに高い位置にボールを運ばせなかった。インテルはラウタロ・マルティネスの投入により、カウンターやスペースでの攻撃にアクセントが生まれたが得点には至らなかった。


ユベントス監督:マッシミリアーノ・アッレグリ

インテルに要所要所で苦しめられたが修正能力は流石。次節までに改善してくるだろう。早めに交代カードを切ったスパレッティに対して、アッレグリは慎重に采配。先制したタイミングでのドウグラス・コスタの投入など、相手の嫌がることを熟知している。また、復帰したエムレ・ジャンがそこそこのパフォーマンスを見せたことも収穫だ。


インテル監督:ルチアーノ・スパレッティ

ユベントスに対して堅守のベースを維持しながら、工夫を見せ先制しかけるなど、試合の入りは非常に良かった。決め切れなかった点は不運でもある。バレロの早めの投入は英断と言えるだろう。少しの間インテルが主導権を握るきっかけとなった。ただ、同じ交代選手でもケイタに関しては不満が残るだろう。


主審:マッシミリアーノ・イーラッティ

早い段階でミラレム・ピアニッチにイエローカードを出したことで、多くのカードが飛ぶ試合になるかと思われたが4枚で試合をコントロールした。ただ、バレロに対するファウルなど怪しいジャッジはいくつかあった。




名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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