ブンデスリーガ ボルシア・ドルトムント

新指揮官ファーブルはドルトムントを復活に導く真のリーダーになれるか

著者:マリオ・カワタ

 ニースを率いていたリュシアン・ファーブルのボルシア・ドルトムント監督就任が22日、正式発表された。60歳のスイス人指揮官は2015年にユルゲン・クロップが去ってから4人目の監督であり、特にこの1年間でチームが新しいボスを迎えるのは既に3回目だ。なんとかUEFAチャンピオンズリーグ出場権を得て浮き沈みの激しいシーズンを終えたドルトムントは、遂にクラブを再び栄光に導く真のリーダーを見つけたのだろうか。

クロップの後継者を探して

 7シーズンに渡りドルトムントを率い、ブンデスリーガ2連覇、DFBポカール優勝、CL準優勝といった輝かしい成績を残したクロップは、クラブに関わる全ての人から愛される存在だった。斬新な戦術で旋風を巻き起こしただけでなく、そのあふれ出る情熱と人懐っこさは、「黄色い壁」に象徴される熱狂的な支持を集めるクラブの顔としてまさに打ってつけだった。

 不振に陥った2014/15シーズンを最後に退任した現リバプール指揮官から監督の座を引き継いだトーマス・トゥヘルは、正統な後継者のはずだった。クロップと同じくマインツで名を上げ、洗練された戦術を使いこなす新進気鋭の若手監督は、たしかにリーグで好成績を残し2年目にはDFBポカール優勝を成し遂げた。しかしハンス・ヨアヒム・バツケCEOとの確執が深まり、選手との間にも溝があったとされるトゥヘルは、クラブを象徴するリーダーにはなれなかった。

 そしてトゥヘルとの契約を解除すると、ドルトムントの指揮官探しはさらに混迷を深めることになる。昨年アヤックスから引き抜いたピーター・ボスは素晴らしいスタートを切ったがすぐに失速、シーズンの途中で緊急登板することになったペーター・シュテーガーも契約延長を勝ち取るだけの説得力はなかった。

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