「マーケットプール・システム」の影響
ユベントスが今季、直近5シーズンともにCL放映権収入トップに立っているが、必ずしも成績がNo.1であったわけではない。同クラブが莫大な放映権収入を得ている理由には「マーケットプール」というシステムが存在する。
CL出場クラブへの純分配金(今季は合計12億6890万ユーロ、日本円で約1564億円)には固定部分と変動部分の2種類がある。UEFAはこの純分配金を固定部分と変動部分にそれぞれ60対40に振り分けられている。固定部分とは、グループステージやノックアウト方式での成績に応じたボーナスである。これに対して変動部分は、マーケットプールよ呼ばれるシステムを取っている。
マーケットプールとはグループステージに出場する32クラブに対して、各国のテレビ・マーケットの規模に応じて、UEFAが各サッカー協会に分配するとうい基準だ。各サッカー協会が放映権収入を出場クラブに割り当てるという仕組みである。具体的には前シーズンの国内リーグ戦における順位やそのシーズンのCLでの試合数、各サッカー協会からのCL出場クラブ数などによって左右される。
ユベントスが莫大な放映権収入を得られている理由には、この「マーケットプール」が関係している。現在セリエAはCL出場権を3枠有しているが、近年は常にプレーオフで敗退しているため実質2クラブのみが参加している状況だ。しかし、イタリアは大きなマーケットプールを持っているため、多額の放映権収入を2クラブのみで山分けすることが可能なのだ。
前回ユベントスが決勝に進出した2014/2015シーズンを例にあげると、ユベントスはイタリアに分配されている9350万ユーロのうち、半分以上である5820万ユーロを手にした。ナポリがプレーオフで敗れたためマーケットプール分の収入が分配されず、ローマはグループステージで敗退したためだ。同シーズンで準決勝に進出したバイエルン・ミュンヘンの2400万ユーロに対して2倍以上も差をつけている。
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