代表チーム ロシア代表

4年に一度訪れる品評会でのアピールに懸けるウルグアイの“レジスタ”

 身長168cmと小柄ながらも当たり負けしない体幹を誇るこの“レジスタ”は2014年1月に欧州上陸を果たすと、翌年にペスカーラのプリマヴェーラでトップ昇格を勝ち取る。そしてトップチームでも出場機会を増やすと、セリエAの複数クラブから熱視線を送られるまでに成長を遂げる。

 そして迎えた2016年夏、サンプドリアがマルコ・ジャンパオロの指揮官就任を発表。これに合わせてトレイラも同監督の強い要望もありマラッシにやってくると、中盤4枚による“ひし形”の陣形をコンパクトに保つ戦術の“舵取り役”に抜擢される。

 すると加入1年目から抜群の空間把握能力を武器に能力の片鱗を見せつけ、中盤の底のレギュラーに定着。ビルドアップにおける正確な縦パスのみならず、自陣バイタルエリアを中心としたスペースを埋めることを目的としたポジショニングセンスやボールホルダーとの間合いを詰めるタイミングなど、守備面でチームに大きく貢献。結局このシーズンは公式戦36試合で先発出場を果たし、翌2017/18シーズンもチーム内で不動の地位を確立し、リーグ戦で先発メンバーから外れた試合数はわずか「2」である。

 カルチョ界屈指の“レジスタ”として着実に評価を高めたトレイラを巡っては、イタリア国内の強豪のみならずアーセナルをはじめとする国外クラブも動向に目を光らせており、これに対してサンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長も「5000万ユーロ(約64億円)の価値がある」と豪語するなど、今夏でのステップアップに大きく近づいている。そして同時に、ワールドカップという“品評会”への参加資格をつかんだ同選手は、自らの実力をロシアの地で試すこととなりそうだ。